デミアン
言語とはその語を(翻訳も含め)操る人々の生をブーストする道具である。音声の届く範囲は限られていたが、録音技術により大きく拡大し、時間を超えることになった。文字は言語と相対することにより、録音技術のない時代から、思想や思考をこちらも時間を超…
図書館でルドルフ・オットー著”西と東の神秘主義 ーエックハルトとシャンカラ”を借りた。 西と東の神秘主義―エックハルトとシャンカラ 作者:ルードルフ オットー メディア: 単行本 Rudolf Otto (1869-1937) オットーは1933年8月に「ヨーガと東西の瞑想」をテ…
読書をしていて楽しいことは、”芋づられる”ことである。 わたくし結構感激するたちのようで、ある本を読んでいて、 ”ああ、ここでこの本を読んでよかった、というか読んでなかったらどうなっていたのか!我が人生!!” という風にすぐに感極まってしまう(内…
グノーシスのことを初めて意識したのは、ヘルマン・ヘッセの”デミアン”を読んだ時であった。 デミアンはヘッセ自身を彷彿させるこの物語の話者、シンクレールに酒場でこう語る。 そしてーいつか読んだことがあるがー放蕩者の生活は神秘主義者になる最上の準…
池田晶子さんはこういった。私は宗教については詳しい、と。であるからして、宗教について述べるが、もし仮に自分を教祖のように考える読者がいたら書き手としては敗北である、と。宗教とは、考えることが契機になる気がする。そして又池田さんは言った。悩…