夢見るように、考えたい

池田晶子さんの喝、”悩むな!考えろ!”を銘としております。

2012-01-01から1年間の記事一覧

詩人。

詩人とは、ことばと宇宙とが直結していることを本能的に察知している者をいう。 池田晶子 事象そのものへ! トランスビュー版 P.62 清冽なる詐術 より意図的に為されるものは美を生まない。我があるものは、美しくない。「創造」とは、見てしまったものを書…

幸福とクリエイツ。

人は極端になにかをやれば、必ず好きになるという性質をもっています。 岡 潔(人間の建設 P.10)幸福とはわれを忘れることなのだ。自分はしあわせかしはわせでないか、などと自分を感傷的に振り返っているかぎり、人はけっしてしあわせにはなれない。 B.ラッ…

リスベート・ツヴェルガー。

1954年、オーストラリア、ウイーン生まれ。1977年、”ふしぎな子”でデビュー。”物語に絵を描く時、私にとって大切なたったひとつのことはロマンティックであるということです。” (MOE 2012年7月号 P.41)時に、繊細ではっとするほどの印象を受けることが…

いじめ。

”いじめ”が話題だ。まず自殺した当人へのいじめの具体的内容。これが第一ステップ。次は、マスコミによる”どうしてそのいじめを止められなかったのか”、という教育委員会、そして、もちろん、いじめた当人への”社会的制裁”。これにより個別案件の発生が減る…

科学ではない宇宙のヒッグス粒子。

池田晶子さんを読んで、大きく自身の変化を受けたことの一つに、”科学教”の認識があった。 (他に、”時間教”や”ドクサ教”、”マスコミ覗き教”等いろいろあるが)ドクサ教やマスコミ覗き教なぞは、ボンヤリと自身の中に意識していたものを形にしていただいたと…

伝えたいこと。

聖書では、”光あれ”。では、池田晶子さんが初めて世に問うた言葉とは、なんであったのか。”最後からひとりめの読者による「埴谷雄高」論”の冒頭を紐解くとこうある。「何が思索を命じるか」とハイデガーが問うたとき、二千年の「忘却」の歴史を超えて、初期…

立ち読み。

立ち読みは肩が凝る。リリーフランキーとみうらじゅん、蟲文庫さんの本を立ち読みで読破。最近は部屋に本がもう入らなくなってきたので、できるだけ本を買わないようにと思っている。しかし、喜国雅彦の”本棚探偵の生還”を購入。シリーズだし、仕方がないか…

アウトサイダー。

コリン・ウィルソン、”アウトサイダー”を読んでいる。内田樹氏が高校1年のときに読んだと書かれていたことがきっかけだ。入手が困難で、図書館で借りている。アウトサイダーとは。さまざまな定義が示されるが、要するに”この世に生きているが、この世で”適合…

エジプト。

世間では常識かもしれないが、自身でまったく知識として抜けていることがある。僕にとっては、エジプトがそうであった。ピラミッドにファラオにナイル川。クレオパトラにアヌビス。考えたらわかりそうなものであるが、そこがまさか紀元前に知の面でも大きな集約と…

オカルト。

オカルト、とは隠されたもの、との意であるという。 隠される、ということは、いろいろな要素があるだろう。隠さねばならぬほど、誤解を生みやすい。 隠さねばならぬが、必要だ。 隠さねばならぬほど、危険だ。 隠すことで、必要な者はそれを求めるというこ…

存在。

「在るものは、それが在るものであるために、何ひとつ永遠に失われることはないだろう。生成は、或るとき在るもの自身の内部に生じた小さな亀裂から始まった、在るもの自身への無限の回帰であろう」 池田晶子 考える人 P.107カバラ、あるいはカバラーに関し…

詩人と散文。

「おふたかた、いいか、人生には立ち上がるか、逃げるか、どちらかを選ばなければならない時というのがあってな、おれは立ち上がるほうを選んだんだ」 P.209 町でいちばんの美女 チャールズ・ブコウスキー 青野聰訳 新潮文庫「おれは詩人だよ」 「詩と散文の…

雪崩と崩壊。

部屋に積み上げた本が瓦解した。更に昨日はPCのモニターが異音を出してクラッシュ。思えば12年以上使用したブラウン管式?の古いタイプなので、寿命かもしれない。しかも人からタダで貰ったものだし。ということで、やはりハードに頼った生活はもろいものだ…

センダック。

モーリス・センダックが亡くなった。1928年生まれということなので、84歳になるだろうか。後述の”ミリー”の訳者である神宮輝夫氏の記述では、1946年にコルデコット賞を受賞、とある。なんと20歳前である(AMAZONの記述では63年”かいじゅうたちのいると…

なにかを創り出そうとすること。

ふとしたことから手に取ったアイルランドの物語、松村みね子訳、フィオナ・マクラウド作の”かなしき女王”。岩を砕き、海草を漉き込んで土を作らなければ、作物が育たないような不毛の土地に生まれる死生感や神話は、残酷で直裁的である必要がある。人が生き…

神と無限。

神とはなにか。アリストテレスの定義。アリストテレスが、無際限の過程としての「仮無限」と区別し、数学においてそれを論じることを禁じた一個の確定した存在者としての「実無限」は、中世の神学体系においては「神」の別称であった。 池田晶子「最後からひ…

最近の頭の中から。

フィルタリング、という考え方がある。詩にしろ、小説にしろ、思想にしろ、その時代にもてはやされているものが、次の時代に同じように受け入れられ、知られ続けるわけではないということだ。この考えかたは、ウンベルト・エーコとジャン=クロード・カリエ…

新聞に。

思い出した。嘗て新聞やTVになにを求めどう使っていたのかを。その述べるところから必要な部分のみを頂いて、のこりは関係がないものである。その立ち位置をこちらとしてどうのこうのではなく。そのことを久しぶりに思い出した。人が自ら耐えられるのは唯一…

意識。

夢は”自分”が見るものか。自分とは”自分”が考えているものか。”自分”とは何か。そんなことを考えていると、”意識”といものはなんなのか、となってくる。”動物”が持つもの、という一応の”共通認識”があるのだろうが、では植物はどうか。鉱物は?宇宙全体には…

夢。

夢を見ていたら、池田さんが出てきた。池田さんは夢というもののフシギを説かれるが、僕はあまりそうは感じていなかった。例えば、寝る前に考えていたことや、今根を詰めて考えていることに関連したことが夢に出てくることが多いのを見ると、夢とはなんとな…

春。

4月の初めのこの時期、人は花見をするけれど、花にかこつけて酒がのみたいのか、などと醒めて見ていたこともあった。 しかし、この芽吹きの時期、冬が一気に切り替わるような思い、季節の変わりに動物として、自然界にあるものとして反応してこころが沸き立…

ニーチェの馬。

映画を見た。”ニーチェの馬”というモノクロの映画である。以下、内容に関する記述がありますので、未見で内容をお知りになりたくない方はご注意ください。そもなぜこの映画を見たのか。まずはタイトルの”ニーチェ”に惹かれたのである。イタリア旅行中のニー…

最後からひとりめの読者による「埴谷雄高」論。

いま、この、現在は絶版にして古書価格であれば1万円を下ることはないと思われる貴重な本を読んでいる。最後からひとりめの読者による埴谷雄高論 (文芸叢書)作者: 池田晶子出版社/メーカー: 河出書房新社発売日: 1987/08メディア: 単行本 クリック: 3回この…

”ジジイ殺し”な人たち。

”ジジイ殺し”という言葉がある。いささか不穏当なコトバかもしれないが、大体は当のジジイ、あるいは”殺されてはいないが、殺されているジジイの近くにいるジジイ、あるいはジジイではあるが自分はまだジジイとは考えていない”ジジイから、ある種の揶揄を含…

生命の樹。

ピーター・シス作、”生命の樹”を読む。進化論を唱えたチャールズ・ダーウィンの生涯を描いたものだ。 大変に興味深い内容であった。生命の樹 チャールズ・ダーウィンの生涯作者: ピーター・シス,原田勝出版社/メーカー: 徳間書店発売日: 2005/06/16メディア:…

大衆の反逆。

オルテガの”大衆の反逆”を読んでいる。実はこの本、1年ほど”積読”状態であったのだが、ふと通勤カバンに放り込んで数ページを読んでみると、これはただ事ではないぞ、というほどの衝撃を受けたのであった。なぜ、それほどに?自ら訝るほどの衝撃をこの本から…

春近し。

だいぶ暖かくなってきた。そんなことは、生物たる僕の体が寒さに備えてピリピリしていたのだ、ということに、そのときはそう思わなくても、たとえば風呂に入っているとき心と体に力が入っていないことにふと気が付いて、ああ、何と力が入っていたことか、と…

3D プリンター。

3D プリンターなるものが発売されたようだ。プリンター、という表現はちょっと違和感があるが、要は3次元データから立体を作り上げるもののようだ。成型機とでもいおうか名前は”EDEN”。かのエデンの園から取ったのであろうが、これはこれからの人類の…

高峰秀子。

没後1年になるという高峰秀子であるが、養女になられた斎藤明美さんの著書と、芸術新潮の特集号を読んだ。高峰秀子の捨てられない荷物作者: 斎藤明美出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2001/03メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 2回この商品を含むブログ…

コリーとボルゾイ。池田晶子と松井冬子。

日本画家、松井冬子を特集した、美術手帳2月号を読んだ。松井冬子、という画家のことを知ったのは何時だったか。TVかなにかだったと記憶するが、第一印象は、”このひとは日本画家ということだが、凡百の女優よりよほど存在感とインパクトのある美貌だな”…