夢見るように、考えたい

池田晶子さんの喝、”悩むな!考えろ!”を銘としております。

2020-01-01から1年間の記事一覧

時とはなにか。

引き続き鈴木大拙、神秘主義。 神秘主義 キリスト教と仏教 (岩波文庫) 作者:鈴木 大拙 発売日: 2020/05/16 メディア: 文庫 時、時間について書かれた箇所でまた、 ひっかかっている。 ひっかかる、というか、読み飛ばせない、という感じか。 現在には、過去…

光から由来する光。

鈴木大拙「神秘主義」を引き続き拾い読みしている。 東西の叡智、仏陀とエックハルトを比較する、というよりは、 二人が同じ結論に至っているということがわかる。 特にエックハルトはキリスト教の中で異端として扱われるリスクを 賭しての説教であったのだ…

所有からの逃走。

エーリッヒ・フロムの”自由からの逃走”。 得るべきもの、望ましいもの、と感じられ、”他人”もそう思うだろうと”思われる”、 「自由」。 それが与えられ、いわゆる”これが自由”と思われる事々に面したとたん、 ”自由という状態”が要求してくる”義務のようなも…

直線と曲線。

鈴木大拙 神秘主義の中に、仏教の教えと美術との関わりを示そうと試みた、とする部分があった。 大拙のこの本は基本的にいわゆる”西欧人”向けである。聞き手は西欧人であるので、仏教や東洋の考え方は基本皆無である、として語られる。 これがいい。 "私”の…

道。

この言葉を“真理””究極の真理””ロゴス”の意味に用いるのは、道教の人たちである。老子は『道徳経』の中で、この言葉に次のような定義を与えている。 道とは満たされることを何ら必要とせず、 しかも、そこからいくらでも内容を取り出せる空の器のようなもの…

時間を忘れる、時間を離れる。

活動と時間がセットである、 という認識はいつ得るのだろう。 自分、という意識、いわゆる自我意識が”芽生える”3歳ころだろうか。 子供に親は、”この世でのルール”の一番めのこととして 時間内にこれをやるべし、 時間内に起きましょう、 食べましょう、 寝…

引き続きエックハルト&池田さん。

エックハルトは、神と神性を区別した。 神性の内にあるすべてのものは一つである。そして、このことについては何も言うべきことはない。神は用(はたら)きたもう。しかし、神性は用かぬ。 鈴木大拙 神秘主義 p.34 エックハルトからの引用部 エックハルトに…

エックハルト。

鈴木大拙「神秘主義」より。 大拙が”東西の探究者の霊性の場の出逢い”として引いた エックハルトの思想をまずは引用する。 P.12以降。エックハルトは伝道の書の中より次の一文を引用し解釈する。 「生前、彼は神を喜ばせ、義人とせられた」。 「生前」とは一…

神秘主義。

神秘主義 キリスト教と仏教 (岩波文庫) 作者:鈴木 大拙 発売日: 2020/05/16 メディア: 文庫 この度発行された、鈴木大拙の”神秘主義”がMAZONから届いた。 個人的になぜか大拙ブームがやってきており、名著“禅と日本文化”を入手した勢いで、 最近(2004年…

コロナとオウム。

夏目漱石、草枕 を キンドルの無料インストールで入手して、読み始めた。 まずは漱石、いままでほとんど読んだことはない。 もっと他に読む本がある。 ずっとそう思ってきた。 国語の授業で筆者名と作品名を覚えなければいけない時点で、 それが”おしつけら…

禅と大拙。

禅と日本文化 を読みだした。 禅と日本文化 (岩波新書) 作者:鈴木 大拙 発売日: 1940/09/01 メディア: 新書 そもそも本書は翻訳書である。 アメリカに渡り、何年もアメリカで暮らした大拙が、 アメリカ人の禅との(たぶん)初邂逅のための手引きとして 英文…

音、とはなにか。

音。 生きていること。 これは今、昨日の鈴木大拙のことばでいえば”即今”。 すなわち、今、を実感できるものごとだと思った。 音はもちろん、たとえば擦過音だったりすれば 鳴る、原因はある。 死にいたるには、苦しみがあるのかもしれないが、 苦しみは死、…

生きながら、死人になるとは。

生きながら死人となりてなりはてて 思いのままにするわざぞよき 至道無難禅師 臨済宗(1603-1676) 鈴木大拙(本名貞太郎)が折に触れ引用された言葉という。 この言葉を聞いて思い出したのは池田晶子さんのことば。 死とはなにか、を正面から見据えて問われ…

目撃者。

いささか長い引用になるが、ご容赦あれ。 段落は原典と変えさせていただいています。そのほうが僕が読みやすいので。 「目撃者」に落ち着く ケン・ウィルバー 存在することのシンプルな感覚 P.37より引用 自己収縮を感じる。「目撃者」は自己収縮を感じてい…

いま。

いま、とは何か。 わたしたちが過去だと思っているものは、頭に保管された、かつての「いま」の記憶の断片にすぎません。わたしたちは過去を思い出すとき、記憶の断片をよみがえらせています。それをおこなうのは「いま」です。未来というのは思考がつくりだ…

父母未生以前。

禅語に父母未生以前、というものがある。 不思議な言葉であるが、わかりやすく気づきを誘う言葉でもあるだろう。 ふつうは思わない。 自分は父母から生まれた。祖先があり、繋がって生まれてくるのが生命だ。 これはいかなる生命、あるいは存在でもあること…

サマーディ。

弟子 サマーディ(三昧)はなにかの役に立つものでしょうか? また、サマーディにあっては何かの想いが存在するのでしょうか? マハリシ サマーディだけが真理を示すことができる。 想いは、実在にヴェールを投げかける。 それゆえに、サマーディ以外の状態…

私とは肉体である。

池田晶子さんの反語的名言。 この語のまえに”いっそ、こう思ってはどうか”という語が付くのだが。 アンチエイジング。 年齢不相応に若い。 これらには浪漫(笑)ありますよね。 なんて書いていてもこの私、”私とは肉体である”を日々標榜し、 いちにち1万歩を…

宗教的精神と、宗教を信じる精神。

宗教的精神と、宗教を信じる精神とは、まったく別のものである。 宗教的精神は、その社会の文化から心理的に自由である。 いかにして神と出会うか クリシュナムルティ P.25 人は生まれて、いわゆる”物心がつ”くと、その人が”たまたま”うまれついた環境に気づ…

夢とはなにか。

夢おち、ということばがある。 あまりいい語感ではない。 だいたいは、まとまりきらない、とっちらかった、大風呂敷の話を 強引に落とすときに無理やり全部夢でした、 としてまとめる手法のことで、 オハナシとしては下の下、という印象がある。 ”夢でしか落…

肉体、とはなにか。

肉体。 言葉を慣れ親しんで使っているなかで、 ふと言葉、あるいは漢字に含められた、成り立ちに関わる 先人の想い、というようなものを感じることがある。 例えば ”自分”。 これは池田さんもどこかでおっしゃっていたように思うが(どこだったかな)、 ”だ…

「私を見よ」

出エジプト記33章20節 また言われた。『あなたはわたしの顔をみることはできない。人はわたしを見て、なお生きていることはできないからである』」 この癖、”新年にはなんとなく改まった感じがする”を楽しんでおります。 会社勤めは実は時間通りに動くので…