夢見るように、考えたい

池田晶子さんの喝、”悩むな!考えろ!”を銘としております。

神秘主義。

 

神秘主義 キリスト教と仏教 (岩波文庫)

神秘主義 キリスト教と仏教 (岩波文庫)

  • 作者:鈴木 大拙
  • 発売日: 2020/05/16
  • メディア: 文庫
 

 この度発行された、鈴木大拙の”神秘主義”がMAZONから届いた。

 

個人的になぜか大拙ブームがやってきており、名著“禅と日本文化”を入手した勢いで、

 

最近(2004年)に初めて訳出された本書の文庫版(本年5月発行)を、

注文してしまったのである。

 

訳出、つまり原文は英文で、大拙が主に海外読者に向けて書いた著作であり、発行から50年を経て日本語訳されたものだ。

 

1957年の発行であるので、1870年生まれ、1966年没の大拙87歳の時の著作である。

 

大拙はいわゆる当時の小乗仏教(現在では上座部仏教と呼ばれる)と大乗仏教の交わる点である日本における状況を”東方仏教”と表す。

 

変容した東方的な「無」は、キリスト教神秘主義的な展開の中で可能となった、人格的で「一」なる神以前に位置づけられる非人格的で「無」なる「神性」(Godhead)とほとんど等しい性格を持つようになる。

「無」の側からは「有」が抽出され、「有」の側からは「無」が抽出され、その両者が重ね合わされていくのだ。

p.352  安藤礼二氏解説 「大拙思想の到達点」 より

 

仏陀であり、キリストであり、その他真理に至った”人としての霊性”たちは、等しく同じことを述べている気がする。

 

ただ、時代が、言語が、”違いではない違い”がある。境界のない差異というか。

 

悪いくせでいつも解説から読み始めてしまう。

 

 

表紙に書かれた惹句も写しておく。

 

中世キリスト教修道士のM.エックハルト、中国と日本の禅僧、浅原才市ら真宗の念仏者・妙好人

東西の求道者たちは、霊性の場において出逢う。

仏教とキリスト教、あらゆる宗派を貫通する宗教的叡智である「神秘主義」の展開を、縦横無尽に論じる。

 

うーん、楽しみになってきた。

 

最近ちょこちょこ読みでたくさん本がたまっているのですが。。。

 

 

禅と日本文化 (岩波新書)

禅と日本文化 (岩波新書)