2009-01-01から1年間の記事一覧
見仏記 ゴールデンガイド編 を読了。長い付き合いの本シリーズであるが、みうらさんは合掌がマイブームだし、若い住職(イケ住)からは合掌を以って迎えられる”先生”であるし、なにより二人が”見仏”することは仏像鑑賞界の中ではもはや周知の事実でありビッ…
最近は、図書館の新刊コーナー(といっても4月発刊のものばかりであったが)で衝動借り(?)した本を順に読んでいる。昨日は山崎ナオコーラ”男と点と線”。短編集だ。この人の文章は、朝日新聞日曜版に掲載されていた”指先からソーダ”で出会った。文章という…
「土と植物を相手にする仕事は、瞑想するのと同じように、魂を解放させてくれるのです」 ヘルマン・ヘッセ先週、大きめの鉢と、コンテナ型の陶製の鉢を2つ買った。現在の家が中古で、前の持ち主が作った庭の木々や草をことさら取り替えるのはやはりよろしく…
命日、というものを身に迫るものとして意識したのはいつごろだろうか。祖父母の葬儀では、むしろそのことを考えると、死に取り込まれるような気がして、正面から死を見据えることを避けていた。それは子供時代、死が回りにない、という環境にあったが故の、…
久世光彦氏が、10年前に突然の飛行機事故で台湾の火焔山で亡くなった向田邦子さんとの思いを綴った本が2冊ある。2冊の本を合冊したのが、”向田邦子との二十年”という本だ。亡くなったのが52歳の時、20年来の付き合いであるから単純計算で向田さんは32歳。久…
2題と書いたが、3題になるかもしれない。1.子供が鎌倉へ行った。鳩サブレーをお土産に買ってきた。 由来が書かれた紙が入っていたので読んだ。 鳩サブレーを作った豊島屋初代のことが書かれていた。 初代は鳩三郎と呼んでいたそうだ。 僕の祖父は三郎と言…
心に物欲なければ、即ち是れ秋空霽海なり。座に琴書あれば、便ち石室丹丘を成す。 p.238 菜根譚 洪自誠 岩波文庫 物欲なくば心は青海の如く澄み渡り、座して横に座右の書たる数冊の本と楽器があれば、心は仙境にあるが如き思いがする。自分なりに解釈すれば…
池田晶子さんが嫌ったネットであるが、こうしてネットを通じながら、考えたことというほどの深みはなかなか出てはこないものの、この場を借りて今まで約100日分の文章を書いた。思えば従来はこうして一般人がその思うところを不特定多数に発信するには、非…
夢を持て、といわれる。しかし、この場合薦められているのは、自らが今行っている、或いは行いたいことを愚直にまっすぐに継続した結果、ぽっかりと山登りのあと視界が開けるように到達するようなことやモノを目標にしよう、ということだ。今から、プロ野球…
バナーがあったので、貼ってみました。
自分の位置を人と比較せぬがよし。 一切の悩みは比較より生ず。比較を絶したる世界へ躍入する時、 人は初めて卓立して、所謂、天上天下唯我独尊 の境地となる。人間はある意味では自己の衷心満足し得る道を進むがよし。但しそこには「それより生ずる一切の責…
平凡社 コロナ・ブックス、澁澤龍彦事典 を購入した。合わせて、なんというかイキオイで、矢川澄子特集(ユリイカ)もアマゾンに注文した。関連したものをドーッと買う、というスタイルだ。 単に堪え性がない、ともいう。しかし、僕はこのものを買うときのイ…
池田晶子さんの本を読み出して2冊目位、大きく衝撃を受けてその後池田さんの本を”シンパシーを持って耽読する”、つまりファンとして読むようになったきっかけの文章がある。”勝っても負けても”と題された部分ですでにその立ち位置はあきらかであるとも言え…
恋(エロース)とは、こうして人間の身体に宿った魂が、この世の生を送る道すがら、美しい人に行きあって、かつて観た真実在としての<美>のイデアを想起し、魂の全体が熱っぽく沸きたって、久しく枯渇していた魂の再生をうながされることである。 プラトン…
海外を何箇所か訪れて、現地の人としゃべる(主に商談)と、そのうち出てくる言葉がある。英語なら、ノープロブレム。 中国語(普通語)なら、メイウェンティ。 広東語なら、モーマンタイ。 タイ語なら、マイペンライ。日本語なら、もんだいない、となるわけ…
池田晶子さんの絶筆がなんであるかはわからないが、平成19年3月1日号の週刊誌に掲載されたこのエッセイが殆ど最後のメッセージであろうと、個人的には思っている。”例年になく暖かな季節の巡りの中で春一番が吹いた日に、ふと、寒い混浴の温泉場のことを思い…
”影響力の武器” ロバート・B・チャルディーニ著、を読んだ。最近は見た目からターゲットから外れたのであろうが、良く駅前とかでアンケートに出会う。アンケートならセールスではないと一瞬思い、又頼んでくる人々が妙に学生のようで、これは一つ協力してあげなければ…
表現は凡て暴力,生活は自然に対して暴力を加える事。芸術は自然に直接でなく全く無関係の他物質に表現する暴力、だから美。 P.276 ノート より。”過激な隠遁” 過激な隠遁―高島野十郎評伝作者: 川崎浹出版社/メーカー: 求龍堂発売日: 2008/08/09メディア…
夢を見た。会社内で異動があり、場所も移動。 東京のどこかで、自分の机はなく、PCも共有。(ちょっとショックを受けた気がする)17万円をみんなで1ヶ月で分けて(課員が何人いるかわかりませんが)過ごす。1万円貰い、明日までにこの金を使い、花の絵を…
創造主、といってもいいだろう。人は、王様になりたい、という欲望を、その原初から刷り込まれているのではないか。それは生存本能、というものかもしれないが。人は、などと客観的に書いてはみたが、自分をふり返ってみると、子供の頃、小学校低学年の頃か…
幸福とはなにか。池田さんは言う。全ての欲することが不幸なのだ。今しかない。欲することは不幸だと知って、今、この瞬間を善く生きること、欲するということは、今の”自分”が不幸だと思っているわけで。自分とはなにか、自分は全てで、全ては一つで。 こう…
”法律とは、「この世」、すなわち相対界を代表する存在である。その裏返しに、哲学、すなわち絶対界とその価値がある。絶対から見れば相対とは、ただの巡り合わせである。日本国、日本国憲法の下に池田某が生まれたのは、ただの巡り合わせであって、それ以上…
1998年からサンデー毎日に掲載された、池田晶子”考える日々”の副題である。”生きる”において必要なものはただひとつ、考える、という行為を通じ善く生きること。週刊誌的なトピックを扱っても、何年後でも何十年後でも言っていることは普遍(不変)である、とい…
部屋に並べた本をぱらぱらめくる。1990年に購入した、三島由紀夫の写真集がある。彼が自決した年齢が45歳であること、その頃の彼の肉体とトレーニング、を思う。自衛隊機に搭乗し、嬉しそうに写真に納まる三島。それから10年以上経ってから刊行されたのが、”三島…
人間に与えられた時間は一瞬、で永遠である。一瞬はつまり永遠に通じる。 逆もまたしかり。時間、という概念は人間が(便宜的に)作り出したもので、待ってる時間と、ぼんやりする時間の流れは、間違いなく違うし、同じとすると、ぼんやりはなりたたない、と…
この本を借り続けている。なにしろ、名古屋市に1冊しかないし、なぜか1のほうはないようなのだ。なので1と比較してどうこういえないのであるが、いろいろとインピレーションを得ることができる。また延長しようかと画面を見ると(最近画面で予約ができるよ…
森茉莉。 記憶の絵。いつか読むかもな、と思って、BOOK OFFで(奮発して)400円で購入して、本棚に放りこんでおいた本である。そんな本が文庫だけでも一棚分できてしまった。 ”いつか読むエリア”105円に落ちてきたちくま文庫や、岩波文庫が多い。岩波は書店…
丸山健二氏(作家)毎朝4時ごろに起床し、朝食後に2,3時間集中して小説を書く。それが終ると、庭の手入れにかかる。草取り、水まき、剪定・・・。地味な肉体労働を繰り返し、頭を落ち着かせる。 「庭仕事は本当に面白いのは一割あるかどうかで、バカみたい…
残酷人生論、池田晶子、を読んでいる。1998年の出版、もう10年以上になるのですか。最近の本と、若干、肌触りが違うような気もする。 しかし、ずっと、同じことを、述べている。ほんと、ご自分でおっしゃるだけのことはある。どの本を読んでもそう思うのだか…
読売新聞 思潮6月欄を読む。内田樹氏(中央公論、「若者の自殺者増、その真の理由」)行政やメディアや知識人が「個人が自分自身の運命の支配者になること」を奨励したことが、自殺者を増やした理由。これを逆にすると減る。見田宗介氏、三浦展氏、(中央公…