最近は、図書館の新刊コーナー(といっても4月発刊のものばかりであったが)で衝動借り(?)した本を順に読んでいる。
昨日は山崎ナオコーラ”男と点と線”。短編集だ。
この人の文章は、朝日新聞日曜版に掲載されていた”指先からソーダ”で出会った。文章というのは、結構一目ぼれならぬ一読ぼれ、というのもあるようで、読んでこの作家はなかなかいいことをいうなあ、と思ったら、次回から見つければ読む、ということに僕の場合なりがちだ。
”いつか男の人と大親友になれる、と私は信じていた。それが夢だった。
人間はみんな仕事をして、男の子たちは結婚をして、それぞれ生活をしてゆき、年をとることに大親友になれる可能性がどんどん薄くなってゆくなんてことは、想像だにしなかった。”
スカートのすそをふんで歩く女 P.69 男と点と線 より
”「生きているだけで意味があるんだよ」
とのこと。
「ふうん」
「二千年前から言われていることだよ」
と宇田川くん。
「何それ。キリストが言ってた?」
私が聞くと、
「いや、ソクラポンだよ」
ソクラテスのことらしい。ポンというのは愛称だろう。”
スカートのすそをふんで歩く女 P.56 男と点と線 より
”その雰囲気は動的であっても静謐で、味わい深くて、他と共有できるし、一緒に浸ることができるものだ。
「男目線」も「女目線」も関係ない、それを超越した、確固たる視点があるはずだ。はっきりと感覚があるはずだ。”
指先からソーダ (僕の新聞切り抜きコレクションより)
最近気が付くとなんでもかんでも池田晶子さんと比較してしまっている。女性として、ではその場合はなく、人間として、だが。その時点で池田さんは男だ、女だ、日本人だ、或いは人間だ、というのを超越しているのだが。
まあ、そのことは措いておいて、山崎さんから感じるのは、女ワールドにいるかいないか、いないのだが全部いないわけではない、でもそれを超えた人間ワールド志向があるが、みんなそれって引くよね、というようなものだ。
そのあたり、幼少時からある意味超越していた池田さんとちょっと違うのだが、傾向は似ている。
もうすこし行ったりきたり、している感じがする。
だから読むのか、と突っ込まれれば(だれに?)そうかもしれませんなあ、というところであろうか。
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