残酷人生論、池田晶子、を読んでいる。
1998年の出版、もう10年以上になるのですか。
最近の本と、若干、肌触りが違うような気もする。
しかし、ずっと、同じことを、述べている。
ほんと、ご自分でおっしゃるだけのことはある。どの本を読んでもそう思うのだから。
有史以来の人類の意識を根底から静かにひっくりかえすのは、
宗教でも科学でもない。武力革命なぞでは勿論ない。
池田さんが提唱される、この一語、のみでよい。
社会はない、国はない。
インターネットいらない、TVいらない、新聞もいらない。
あ、酒はいるかもしれないが。
その身ひとつ、頭ひとつ、他に何も要らない。
イギリス人でも、ブラジル人でも、アゼルバイジャン人でもいい。
勿論タヒチ人(そんなのあるのか?)でもいい。
国はない、のだから。
国はない、社会はない、ということを全ての人が気付く世界。
自ら考える
ことで実現する。これは驚いたことに、将来人類が滅亡しないかぎり、必ずやってくる。そういう方向だ。
相当先かもしれない。数千年単位、かもしれない。
しかし、社会や国などなく、ただ生きていることに驚き、ただ善く生きる、ことこそが究極の善である、と皆が納得している世界。
これは必ずやってくる。
池田さんの"自ら考える”が人間にはいつか必ずわかるはずだから。
宗教では無理だろう。国、では大変だ。
でもこれなら、
最近はやりの所得格差による教育格差も(長期的には)関係ない。
その世界はむしろ、野生の世界みたいかもしれない。
なんとなく、ドッグランで無心に遊ぶ犬の世界や、気ままにねぞべる猫の世界、みたいなものかもしれない。
そのときの人類はもそっとその透明感のある、仙人っぽい感じかもしれない。
まあ、2000年では無理ですかね、池田さん。
- 作者: 池田晶子
- 出版社/メーカー: 情報センター出版局
- 発売日: 1998/03/11
- メディア: 単行本
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