夢見るように、考えたい

池田晶子さんの喝、”悩むな!考えろ!”を銘としております。

2月27日 一とリインカーネーション。池田晶子さんと、国木田独歩「忘れえぬ人々」。

昨日タイトルに入れていたが書けなくてすいません。

 

タイトル回収します。

 

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これも原著をあたっていない(今手元にない)ので、うろ覚えなのだが、敬愛する池田晶子さんのご著書で、国木田独歩に関する記述があった気がする。

 

過去のさまざまな人。たまたま戦時中に生まれれば、その中でなんらかの姿をみせた”名も知らぬ”人。歴史の中で、市井の一私人ではあるが、妙に心に残る人。

 

そういうひとを感じた池田さんが、”ああ、この人は私だ!”と感じる、というような内容であったとぼんやり記憶する。

 

これはいわゆる”リインカーネーション“(転生)のことを言っているようで、そうではない。少なくとも私の理解ではそうだ。

 

ごくたまに池田さんのご著書が、「ニューサイエンス」などのコーナーにあったりするのを見かけるが、”ああ、わかってないなあ”と思うわけだ。

 

ニューサイエンス自体をバカにするわけではないが、池田さんと言えば、”信じるより考えろ”とおっしゃった方。信じる、の”無考慮性”を厳しく指摘なさり、私は教祖に祀りあげられたら終わりだと思っている、とおっしゃり、その点に非常に心を配られた方だからだ。

 

科学、を無条件に信じる「科学教」に留意すべし、との言葉は、文字通り「科学教」の中にいた私の蒙を啓いていただくきっかけになった(未だ蒙だらけではありますが)。

 

卒論が龍樹であり、日本では龍樹はいわゆる”仏教”カテゴリーにあり、それは哲学的アプローチながら”仏教”の持つ哲学性の中にあるものでもあろう。早い晩年は妙に禅仏教から講演を頼まれる、ともおっしゃって(書かれて)いたようにも思う。

 

その中、その文脈でいうところの”彼のひとは私だ”であり、それはあるいは”一”とも繋がるものであるように個人的には感じている。

 

存在とはなにか、生とはなにか、死とはなにか、魂とはなにか。

 

池田さんがその哲学する人生の中で、持たれていた大きなテーマ群。

 

特に”魂”の語は難しい、とおっしゃっていた。どうしてもドクサまみれで、宗教とのドクサが特に強くて、簡単には議論できない、という感じだったと思う。

 

国木田独歩 作品集「武蔵野」に収められた「忘れえぬ人々」は、独歩26歳の時の作品。無名の文学者、大津の宿でたまたま隣り合った無名の画家との会話。

 

「皆なこれこれの生を天の一方地の一角に享けて悠々たる行路をたどり、相携えて無窮の天に帰るものではないか、というような感が心の底から起って来てわれ知らず涙が頬をつたうことがある。その時は実に我(われ)もなければ他(ひと)もいない、ただ誰れもかれも懐かしくって、忍ばれて来る」

 

我もなければ他もない。

 

自身はこの肉体、という境界に囲まれるものか。その皮膚=境界、は絶対のものなのか。時という考え方の発明にがんじがらめになっているのが、今の人類ではないか。

 

そもそも”時”や”皮膚”という「境界」は、仮の、考え方ではないのか。

 

 

まあ、個人的にはこの独歩をよんでそんななんというかふわふわした、地に足がついていない、というよりは地も足もない世界を思うのである。

 

浮遊感、とでもいおうか。

 

でも、不安というより、安心感がある。

 

 

国木田独歩の例えばこの想いを読むと、びっくりするが、なんだかそのような気持ちのいい感じもあると思うのは、

 

私だけであろうか。

 

(いわゆる”すべては一(いち)である、という意味での一元論にも連なるように思います。池田さんは2007年2月23日に46歳で亡くなられています。この日記発表予定日とはすこし前後しますが(書いているのは前の13日(笑))、早くも17年!!も経っているんですね。。。)