夢見るように、考えたい

池田晶子さんの喝、”悩むな!考えろ!”を銘としております。

目黒にて。

3連休最終日だ。今週は3連休ということをよくわかっていなかったので、休みの日はあまり日記がかけないので書き溜めていた分が昨日で切れた。

昨日はふげん社という出版社が経営するブックカフェ&ギャラリーに行って飯沢耕太郎さんの出版記念展示‘完璧な小さな恋人“を見に行った。

目黒駅で降りたが、歩いていて、なんとなく昔この駅を歩いたことがあるのを感じた。そう、覚えてはいない。5年前にも来ているようだ。だがその頃からどこへ行くのも携帯のMAP頼みであったので、結果どこに行ったのかということに1ミクロンも少ない脳のメモリーを割けない身体と成り果てている。

この前会社の若い人と話していたが、自分意外の携帯番号や郵便番号が覚えられない、と言う話をした。こんなのは自分だけなのかと思っていたところみんなそうだという。

思うに携帯のメモリーにデータがあると思うと、そのことを記憶にも残そう、という気持ちがたぶん大多数の人間にとっては本能的に無理なのであろう。

これを退化と見るのか、はたまた外付けメモリーというような認識とするか、どちらも結局おんなじようだが、いずれにせよ人間はやはり時代とともに変化する。そのことを実感した。

で、目黒。歩いてゆく途中に無料の寄生虫博物館?があり、これはなかなか面白そうであった。展示内容も大変面白く、知人に紹介されていったのだがこれは行ってよかったなあ、と実感した。

日曜の夜6時あたり。このまま部屋に帰るか、途中で最近行っていないスタバやサイゼリヤにでも行こうか。スタバやサイゼリヤに行くのは、実は集中して作業を行うことができる時間を買っているのだ、と最近になって改めて実感している。サードプレイス、とはよく言ったものだ。

なんというか、一人になって時間が自由になり、増えたはずなのだが、本を読んだりする時間は思ったほど増えていない。ついなんだかんだで時間が溶解していく。1月末までに誘って頂いた展示に出す作品のデータを、と言われているのだが、進んでいないのだ。

まあ、皆さん勉強は図書館やスタバでされているのを見ると、やはりそれしかできない空間と、干渉されない他人のいる空間、というのはやはり皆さん必要なようだ。

だが、目黒は大変魅力的な街であった。様々な名店が、どうぞこちらへ、という感じで誘ってくる。試しにギャラリー側の焼き鳥店に入る。今日は予約でいっぱいです、と断られた。

そうなるとなんだか悔しくて、なんとしてもどこかの店に、という気分になる。目黒駅の近くまで来たが、Googleマップで高評価のビアパブを見つけてしまった。

私は基本的にビールはあまり飲まない。なんというか、グルテンフリーに反するし、たくさん飲むとビール腹となり太る、という刷り込みがある。わが母方の祖父はくつろいでいるとその大きなビール腹が目立ち、小学校入学前の私はそのなんというか大変な様子が心に染み込んでしまったのだ。ビールを飲むと、こうなる、と。

だが、覗き込んでみると、お客がいない。カウンターでおひとり様でもいける、というGoogleマップのコメントが頭をよぎる。今日は3連休の中日ではないか、という勢いで飛び込んだ。

結果、

いやあ、鯨飲した。まあ、個人的な感覚ですが。いわゆる地ビールの美味なものがあり、それを飲んでいるとビールを飲んでいる、という感覚があまりなかった。

英国人は仕事後パブでひたすらビールを飲み、ほとんどフィッシュ&チップスくらいで物を食べずにひたすら話す、という。数回のロンドン経験であるが、実際そんな感じであった。ここもある意味そんな感じ。常連の皆さんが一見の私、しかもおっさんな私に優しく声をかけて下さった。特に一人で切り盛りをされている店長の心配りが大変素晴らしかった。途中から満席となったが、大変忙しい中一人一人への気配りをされている姿に感心した。

展示然り、パブ然り。この時間にここにいなければ、この経験は多分することがなかった。東京は人が集まる街。相手がどこから来た人であろうと、日本人も外国人も、ある意味大きく受け入れる雰囲気を、ここでも感じたのだった。

(またいきたいですね)