夢見るように、考えたい

池田晶子さんの喝、”悩むな!考えろ!”を銘としております。

「良い質問にはいつも答がない」村上春樹と川上未映子と河合隼雄とユングとそしてルドルフ・シュタイナーなどについて。そして「宗教アレルギー」

 村上春樹1973年のピンボール」P.196より。

「みみずくは黄昏に飛び立つ」という本は、川上未映子による村上春樹へのインタビュー、という形式を取っているのだが、勿論川上さんが徹底的に村上作品を読み込んでいることに加え、やはり自身が文章を書かれるということからか、ご自身の意見をしっかりとおっしゃているのが実に心地いい読み心地だ。

いわゆるインタビュアーが黒子に徹するスタイルとは違った印象である。

もちろんどちらがどうというのではなく、この本の屹立する魅力を述べているだけである。

私が川上さんのファン(と言えると思う)を自任しているのは、川上さんが池田晶子さんがお好きだ、ということをどこかで読んでからだ。

とにかく池田晶子さんをお好きな人は、勿論面識などなくとも同じ次元にいらっしゃる貴重な仲間だ、と感じるのである。

そしてやはり「関西人」というところ。私は関西のどちらかというと下町的なところにいたため、いわゆる「神戸、おしゃれでいいね」といわれる感じがいまいちよくわからない。

子供のころは結構ほとんど神戸市民であったが、神戸市に含まれもしない六甲の住人に、「お前のところは神戸ではない」といわれたときは本当にびっくりした。

ああ、そういう意識の人々がいるのだな、ということをうすぼんやりと把握した。

村上さんは、場所柄としては上流な感じの芦屋に生まれ育った方であると思うが、それほど上流な感じの日々ではなかったとおっしゃる。

今私は名古屋市の西側に住んでいるのだが、いわゆる名古屋駅を起点に、西側と東側ではまったく雰囲気が違ってくる。土地勘なくいままで過ごしてきたのだが、いわゆる東の地区はまずは標高が高く、水害の心配がないという点だけでも素晴らしい。

私の家はなんと標高0m。川も近いのだ。

歴史が、台風が、地震が、天災が、土地の価格を定めているのだ。

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(村上)興味深いのは、やはり彼一人では物語が作れなくて、物語というのはいろんな人がいろんな物語を持ち寄って、一つの物語になっていくことでもある。

(川上)それを例えば河合隼雄先生は、『影の現象学』の中で集合的無意識とおっしゃっている。ナチスドイツの所業は、そうした集団に生じた影を外部に肩代わりさせた結果であると言っておられて、その話を思い出します。

P.120 インタビュー集 「みみずくは黄昏に飛び立つ」

河合隼雄先生は、ユングを日本に初めて紹介され、臨床心理士という資格を立ち上げるということもなさった(そのことで多くの人が職を得、多くの人が救われているということはなんとも素晴らしい)わけだが、晩年に行われた村上春樹さんとの会談もまた重要な出来事であるだろう。

私は河合さん経由でユングを知ったというわけではなく、どちらかというとヘルマン・ヘッセの「デミアン」を通して、グノーシスを知り、そのあたりからユング自伝2に行きあたり、そこからユングをいう人を意識した、という経路を持っている。

ユングは未だ西洋ではちょっと眉唾というか、スピリチュアル・神秘学的範疇に入れられるということがあるといい、河合さんもその点を心配されて日本でユングを紹介されたときは、箱庭療法や夢、という点を強調され、場合によっては宗教的とみなされかねない「集合的無意識」という考え方の提示には慎重であったという。

このあたりはルドルフ・シュタイナーなどでも似ている面があり、いわゆる彼の神智学的考え方から来る教育については、日本ではどちらかというとまずは神智学的な考え方を押さえながら導入されてきた、という事なども思い出す(まあ、そうしないといわゆる普通の人は学校にはいりませんよね)。

人は何か「得体のしれないものにしらず取り込まれる」ことを恐怖する。

ここ日本ではそれは「宗教」ということになっている。

今話題となっている、壺や本を何千万円で買わされる、というもの、これは都市伝説かとおもいきやまぎれもなき現実である、という事実に、いまここ日本は震撼しているところであろう。

日本での宗教アレルギーは、オウム真理教で極まり、じわりとスピリチュアルブームなどを経つつ寛解しつつあるのかなと感じていたのだが、ここでまた大きなアレルギー要素を得た、というべきであろう。

(集団に個人が取り込まれるということは、私もとても怖いですね)

 

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