とタイトルには書いたが、これは2択ではないだろう。
本はたくさんよまねばならない=NO.
すこしの本でも、反芻し、味わうことで大きなものが得られる。
勿論、あたらしいアプローチとして新知識を得ることに貪欲となることは悪くない。だがそれだけではなく、
反芻することも悪くない、と「読めていない自分」を肯定することもいい。
まあ、全然読まないのはどうだかわからないが。
例えば「無人島に1冊もっていくのなら」というお題が良くある。
私なら何だろう、と考えるのは面白い。だが選ぶのなら「池田晶子本」のうちからどれか1冊。どれでもいい。どの本も金太郎飴のように同じことが書いてある。そう、「真実」が。
栄養満点、滋味満喫できる本ばかりだ。まあ、無人島なら厚めの本がいいかもしれないが。
まあ、薄くてもいい。どこを開いても、何度開いても、考える契機、に満ちている。
池田さんはすべての言葉を「絶筆」のつもりで記されたという。そうでなければ「なぜ物を書くのですか」「他の仕事をすべきではないのですか」とおっしゃる。
ということだ。どれでもいいのだ。
こういうことだろう。人生は真実を求める旅。紆余曲折を経るし、それどころではない、という思いで一杯の時期がほとんどかもしれないが。
(阿川佐和子さんが、松岡享子さんへの追悼文を書かれていたのを読んでの感想です)