”私の一生は、無意識の自己実現の物語である。無意識の中にあるものはすべて、外界へ向かって現れることを欲しており、人格もまた、その無意識状況から発達し、自らを全体として体験することを望んでいる。私は私自身の中のこの成長過程を跡づけるのに科学の用語をもってすることはできない。というのは、私は自分自身を科学的な問題として知ることができないからである。”
ユング自伝1 p.17 プロローグより
ユングは、81歳の時、長年の秘書であったアニエラ・ヤッフェの聞き書き、と言う形でこの自伝にかかわり、そののち自ら筆を執った。
しかしその出版は、自身の死後にされるようにと希望し、実際にそうされた。
それには、”ヨブへの答え”の出版により、世間からうけた非難や誤解を、高齢でもある自分がもはや耐えられないであろうし、耐える理由も見出せなかった、ということもあろうが、発表が自身の死後であると設定することにより、初めて語れる部分も多いからであろう。
実際にいわゆる伝統的なキリスト教との関係や考え方でゆけば、その考えは”中世で言えば、異端で火炙り”となるだろうとユング自身も語るほどであった。
僕はいわゆるキリスト教世界でいまどのような議論がなされているかは定かではないし、またこの日本、という土地が比較的自由に、汎神的に議論できる精神的土壌を持っていると感じる。
そうであり、かつ自身の中で”自分はどの宗教に属する”と感じていない、いわゆる”宗教フリー”の関係であることが、ユングの考えを辿る上でも、なんらかのメリットがあると感じている。
また、ユングは述べる。
”人間の一生は心もとないひとつの実験である”
同 p.18
そして言うのである。
”この内的な出来事にくらべると、旅や人々や私の周囲についての他のあらゆる記憶は色あせてしまった。”
同 p.19
ユングにとって、全ての外的な出来事は、特別な出来事を除き、すべて過ぎ去り、あるいは内面に還元されるものなのかもしれない。
そして、この感覚は僕自身にも近い。
”同様に他の人々は、その名前が初めから私の運命の目録に組みこまれていた時にだけ、私の記憶の中に奪うことができないほどに深く刻み込まれている。したがってその人たちとの出会いは同時に一種の回想なのである。”
同 p.19-20
初めての出会いが、一種の回想である、ということ。これは運命に組み込まれた、”会うべくして会った”という感覚であろう。
内面。
なんだろうか、これは。
海外出張でも今の時代、ネットを見れば日本の動画も見ることができる。
ここで久しく出あいたかった、池田さんに会った。
(が、現在映像は削除されてしまったようだ)2020.10追記
出張中、何度も見た。
もし、ご覧になりたい方があれば、何度か見ていただきたい。
多くの新興宗教者と同席した議論であり、初めの印象は決して気分がよくない。ガマンして3回ほど見る。
すると池田さんの冷徹なる首尾一貫した、いや首尾一貫”しすぎた”主張が見えてくる。
ぶれてない。動じてない。
すばらしい。まさに”巫女”、真実がその口を通して語っている。
ある意味では、”言葉”、あるいは”言霊の精”という感もある。
確信を持って話す、ということがどのようなものかを感じる。
これを見ていると、池田さんを中心に、その言葉がわからない人たちがなんでわからないか、わからなくなってくる。
いや、正確ではなかった。この”わかりたくないこと”、あるいは”わからないこと=神にしとくか。”という思いこそが、”宗教”と名づけられるものなのかもしれない。
その事だけを、池田さんは繰り返し説かれる。
わかりたくないひと、も、多分、心の中ではわかっているのかもしれない。
そういったらおしまいでしょ。
宗教法人が成り立たなく、なるではありませんか。
だから同意できない。
でも、見ていると、わかってくる。
池田さんは、答えとして、そこにいた。
”内面”について考える時、”私”について考えるとき、
いつも池田さんは教えてくださる。
あ、今日は池田さんのファンサイト?らしく、なりましたね?
同時にこれも、ご覧ください。
(こちらもアクセス不可.)2020.10追記
10年後の池田さんも、全く変わらずに真実を述べられている。言葉を正確に、迎合することなく。
すこし、ほほのあたりがすっきりされている。どちらの池田さんも、凛、とされて素晴らしい。
ネットを嫌われた池田さんであるが、こうして池田さんに出会える点、大変にありがたい。
林氏の本は、写真が多数入っており、ユングのイメージを掴むのに大変役にたった。マンダラや赤の書のなかの画像もある。
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