夢見るように、考えたい

池田晶子さんの喝、”悩むな!考えろ!”を銘としております。

最近の買い物から。

小さくてしかし存在感のあるもの、起爆力のあるものをいろいろと買っている。

まず本。引っ越してからは従来持っていた本をダンボール箱に入れたまま、ちいさな3畳の部屋ではあるが壁1.5面ほどの本棚には新しく買った本をどんどん入れていった。

本をどんどん入手できる、という思いは思いのほか楽しいもので、僕は基本的に鼻歌気分、というものが続いた気持ちでずっといたように思う。

ま、いつかよむかもな、という判断基準で買う本が並んでいる。気が向いたら手にとってパラパラ。みうらじゅん氏が自分の中で本を買う基準として、いつかスイッチが入ったときにその本があるかないかで全く違う、と書かれており、例としてミイラの本などを挙げておられた(本棚 ヒヨコ舎編、アスペクト)が、そのニュアンスにはひどく同感したものだ。

一列ほど岩波文庫がある。正確には岩波文庫の割合が多いだけだが。ここの本は余り読んでこなかった。教科書に名前が出ただけで、読んでみるか、という思いが一段減ってきていたからである。しかし最近は、”本は本だ”ということと、そんな年月のふるいにかけられた古典、と呼ばれる本の持つ力にいまさらながら気がついてきた。

古典には残ってきた理由がなにかある。そこに触れるには、文体が古かったり、本自体の活字が読みにくかったり、といろいろとハードルがあるのだが、其処を超えて古典が古典たりえた理由に到達し触れることができたら、それは思わぬ感動を呼ぶものだ。宝を発見したような感じがする。

いわゆる古典、に成りきっていないが、古典たりうる力を持った本たちもまた存在する。現代に波のように絶え間なく生み出される本たちの間から、そういった本を見つけるのも楽しい。いわゆるベストデセラー本、というものや、直木賞芥川賞、といった賞を受賞した作品だ。

僕には賞を取った文章をすぐに読む、といった習慣はないが、”昔賞を取った作品やベストセラー”をブックオフ100円コーナで探し、主に受賞時のハードカバーで買う”ということが自分の中で小さなブームとなっている。

ベストセラー、というのはくだらない、とする向きもある(どこに?)ようだが、それがベストセラー足りうる理由、もまたある。僕は余りクダラナイ、ということを思いたくない方で、よくテレビがくだらない、といったことを聞くと、人に自分の評価を押し付けられるのが嫌だなあ、と思い、敢えて見てみたりして、そのなかになにか面白いものを見つけようとする、という天邪鬼なところがある。ベストセラーについてもそう。売れている時期には買わないが、ブックオフで100円になった時点で”そろそろ読み時が来たかな”などとひとりごちて、おもむろに購入したりするのである。

下流社会国家の品格バカの壁ウェブ進化論、病気にならない生き方。

ざっと挙げてみても、結構いろいろある。殆どを100円で購入している。そして結構楽しく読んでいる。いまそのうち読むかもな、と思っている所では、おひとり様の老後、日本辺境論、あたりであろうか。いってみれば”ベストセラーになってしまったが、読む価値のある本”。しかしこのベストセラーをベストセラーにする日本の読者層、という見えない層、結構これが面白い本を選ぶガイドになるなあという思いもあるのである。村上春樹ノルウェイの森を読んだときは、それをどこでどのような気持ちで読んだのか、まで思い出すことができる。

長い前ふりとなってしまった。前の伝でゆくと、昔のベストセラー、それもハードカバー、という条件で3冊ほど最近買った。そうそう、言いたかったのは、本棚が一杯になってきたことだ。本を買うときに躊躇するようになった。”なにか今ひとつの本を減らさないと買えないぞ”という気分は、少し楽しくはない。しかしこれはこれで本の選択眼に厳しさが出てきた気もする。

もう既に一部禁断の"床置き”が始ってはいるが、これは買っとこうかなという思いで購入したものは以下の3冊。

すべてハードカバー、それも売れ出して2版か3版印刷されたもの。いわば売れ出して増刷したころであろうか。そんな出自の本だから所有者もついブックオフに持っていってしまうのかもしれないと思うとすこし切ないものもある。

向田邦子はちょっとリアルタイムで読むには無理があった。遠巻きで眺めている感があったが、ムックを通じて作家の人となりを知ってしまうと一気に親近感が増して最近は”父の詫び状”に続き購入した。

話が飛ぶが、映画も同じだ。ブームとなり、何年か経ってビデオ屋で100円で借りれる、ボックオフでDVDが250円で買える、となると"僕の出番がきたかいな”。

昨日は”千と千尋の神隠し”を100円で借りてきて見た。”マトリックス”最終章も250円で購入した。SF好き、ファンタジー好き、アニメ好き、でやってきたが、こうして人気が出ると意地をはってみないところがある。カリオストロは映画館でみたが、人気が出たジブリは映画館には行かない。でも話は面白い。白龍が出た時点で、丸、なのである。”けなげな日本の現実的なアリス”といったようなものであろうか。

ああ、本の話だった。犬婿入り。これも凄い本だった。作者のことは川上未映子さんにより知った。1960年生まれ、これは池田晶子さんと同じ世代だ(同級生かもしれない)。

こうした本には古さ、というものを感じない。普遍的な感じがする。藤枝静男、と通じるものを感じた。

そしてハラスのいた日々。犬猫のほうが人より基本的に好きだなあ、と感じてきた身には、たまらなさそうな本として実は避けていた。でもぼちぼち年貢?の納め時かな、と。いわば決心して購入。
ぱらぱらめくったが、やはりたまらなさそうな本だ。


本と並んで最近のマイブームは、花、テラコッタ、だ。

昨日実は常滑のやきもの散歩道へ行った。テラコッタを購入。ただたぶんタイ製だなあ。デコレーションの付いたタイプ、4点ほど購入。1300円。
そこに植えるため、斑入りポリゴナム、レクレクサム、ドラゴン”B”、ゼラニウム赤。590円だったかな。約2000円で4鉢。平均500円。

セダム系のドラゴン”B”.ネーミングに笑った。とても草の名前とは思えない。あと最近はマリーゴールドをいろいろ種類で買った。立ち性、這い性、いろいろあるようである。あとは長崎ラベンダー。夏の暑さでいつもラベンダーは枯れそうになるが、長崎生まれというこのラベンダーには期待?している。