夢見るように、考えたい

池田晶子さんの喝、”悩むな!考えろ!”を銘としております。

年齢。

3月になった。

早いものである。

新潮社小林秀雄全作品9 文芸評の行方 を読んでいる。

小林秀雄全作品〈9〉文芸批評の行方

小林秀雄全作品〈9〉文芸批評の行方

当たり前だが、不思議に感じることは、

こうした年代別に編まれた全集の場合、ある歳に発表された作家の文章を順番に読めることである。

例えばこの本では、35歳の小林秀雄が書いた、新聞への短文や、文芸批評文を読む。あたかも”35歳の小林秀雄”という、批評家が、いまの世に在り、こうして文を発表しているかのような、感覚になる。

年下の小林秀雄がいる、という感覚の不思議。

批評の大家、として小林を見るクセがついている目からすると、ずいぶんに新鮮であるし、若い。

ふと思った。これはいま自分より若い人に対してもっている感覚だな、と。若くても、若くなくても、自分を基準とする見方は目を曇らせる。素晴らしい魂は素晴らしい。

そのことをすこしこの歳若の小林秀雄に教えてもらった。

年齢、というものに振り回される自分の気持ちが、すこし軽くなったような気がした。

踏切趣味

踏切趣味

あめりかむら

あめりかむら

石田千氏のエッセイと小説を同時に読んでいる。

空気や時間をきりとるような筆が心地よい。

ちょっと山崎ナオコーラ氏のエッセイを思い出した。

似ている、というより、たたずまいや生き方が、作家という姿が、似ているのかもしれない。