夢見るように、考えたい

池田晶子さんの喝、”悩むな!考えろ!”を銘としております。

写実の魔術 高島野十郎。

写実をなすこと、それ自体が淫することであった。

出来上がるものは自然を写し取ったものである。

しかしそれは、一筆一筆、自らが筆で切り取り、作りあげるもの。

世界を切り取ること、世界を作り上げること。

神の為すべきこと、或いはその似姿。

そこに、その過程に魅入られ離れられないこと、

これを高野は魔業、と呼んだのであろう。

そこで選ばれるのが人間の居ない風景であるのはいわば必然、

人間はここに、こうして描いている、我があるではないか。

我が王国。


「何だこれあ自然そのまま描いてらあ
 
「うんこれあ寫眞と同じだ

「でも一筆一筆描いてらあ


天上天下唯我獨能ー画かき

”近づくべからず、
 親しむは魔業

”乞食
       精神文化の極致

     
            ー高島野十郎 「ノート」より