言ってしまえば好きな先達を単に並べたのが発端であったのだが、両氏関連の著作を読み進めるうちに思わぬ共通点を見つけた。
正確には野十郎の描いた蝋燭の絵の焔のことを川崎 浹氏が”過激な隠遁”の中で思索される中で引用されたものであるが、宮沢賢治の"春と修羅”の書き出しである。
わたくしといふ現象は/仮定された有機交流電燈の/ひとつの青い照明です
川崎 浹 過激な隠遁 P.250より
野十郎が書いた焔は、うつろいゆく生命エネルギーの現象、という名が最もふさわしく思われる、と氏は述べている。
この箇所に感銘を受けたので、ノートに転機していたところ、その数日後、池田晶子著”無敵のソクラテス”P.115で、池田さんはソクラテスと語る老人に同じ箇所を引用させているのに出会った。
この本、基本的には登場人物はソクラテスにこてんぱんにされるのであるが、この項はこの老人、ソクラテスとがっぷり四つの印象。本編中特異な一編であるともいえる。
ちょっとした一致ではあるが、書き写した語句が池田さんの著書にいきなり現れたのに、驚きを感じた。あれ?どこかで?
よくあるデジャブならぬ記憶デジャブか、と思ったが、ノートを見て確認できた。二人のある場所が意外に近しいことを象徴する個人的発見であった。
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所用で名古屋・栄へ。久方ぶりにLOFTへ行った。ついでにジュンク堂を冷やかす。確か広くなっていたはず。7Fへゆくと広々と静かな空間があった。名古屋駅前のジュンク堂は好きでよく行くし、事象そのものへ!の法蔵館版も、今回のトランスビュー版もそこで買ったのだが、より専門書は充実している印象。
歩いていて、写真集のコーナーで捕獲された(誰に?)。
”じいちゃんさま”
たまらない写真集だ。うめめ、男子もいい。間にはさまれた自作らしきイラストにも脱力&脱帽だ。
そして やなぎみわ 老婆のシリーズ。
こちらも眼が離せなかった。特に気になったのが”ヘンゼルとグレーテル”と”ラプンツェル”。
これらをじっくり見ていると、静かに声をかけられた。
"閉店時間となりました”
ほとんど移動しなかったなあ。
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