”書物が書物には見えず、それを書いた人間に見えて来るのには、相当な時間と努力とを必要とする。人間から出て来て文章となったものを、再び人間に返す事。読書の技術といふものも、其処以外にはない。” 小林秀雄
こうして、物事に寄り添い、とことん考えた人の持つ言葉はなんと力強く、そして読んでいて腑に落ちるのであろうか。
文章には、言葉には、当然それを発するに至る経緯と、人間が裏にある。たとえば言葉を大切にせよ、と説いた池田さんの文章を読むならば、文筆家としての覚悟、というものを感じざるをえない。
そしてそうして大切にして出された言葉に接する我々も又、大切にその言葉に接せざるをえないことになる。
”生きるも死ぬもすべて他力によるという真実を、現代社会に向かって果敢に語った鮮烈な生涯。
その清冽な言葉の中にあなたは現在しています”
大峯 顯氏が書かれたとおり、そしてそのことばは(その声をもってよく千年の外に達)するものとして現在しているのである。
- 作者: 大峯顯/池田晶子
- 出版社/メーカー: 本願寺出版社
- 発売日: 2007/03/10
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