夢見るように、考えたい

池田晶子さんの喝、”悩むな!考えろ!”を銘としております。

緊急池田晶子。

さて今週はいささか精神的に参っている。

救命具を掴むように、池田晶子さんの唯一の文庫本”考える人”をカバンに放り込んで電車通勤。

実はこの本、手軽な文庫形式なのであるが、結構歯が立たなかった。きちんと読めていない。

知力と気力がまだたりないな。

といささか残念な気持ちでいた本なのである。



特に冒頭のヘーゲルの項。

池田さんも気を遣って、読めなければ無理をするなと言っていただいて引用されたヘーゲル

・・・やっぱりわからない・・・

だったのだが、昨日読んでみると少し、ほんの少しだが、

なんか読める。



ああ、この歳にしてやっとすこうしだけ。



ありがとう、池田さん。

少し引用させていただけば、

P.31 ヘーゲルの項です。

”さあ、観察してみてほしい。Aがある、Aがないと考えることができる自分の思考のうごめきを。

「ない」なしに「ある」と言うことができますか。

「ある」のない「ない」がありますか。

「ある」あっての「ない」であり、「ない」あっての「ある」である。

こういう言い方のうちに既に「ある」と「ない」とは同じであって同じでなく、しかも両者があざなわれた縄のようになって運動始めているのが、観察されますね。

これが、その名も高き「弁証法的統一」である。

そして、歴史の基礎である。”

(一部傍点がありますが、つけ方がわからずつけておりません。
 また改行は原本とは変えてあります。それ以外は原本どおり)

読んで辿ったリズムで改行を変えているが、なんともわかりやすく解説してくださっているのだ。


この数行の中に、歴史が、統一が、あえて言えば全てが、

記されているではないか。




すごいなあ。

すごいなあ池田さんは。




改めて感嘆。

このような本を、この世界に残していただいたことに感謝。

というか、遺すべくして、遺された。



そんな気がしている。