夢見るように、考えたい

池田晶子さんの喝、”悩むな!考えろ!”を銘としております。

小冊子。

この世にこうして生を受けたからには、

この世を去る時はすこしはこの世を良くして去りたい。


・・・というようなことを述べられていたのは誰であったか。

どなたの言葉かは忘れてしまったが、その考え方には共感した。


様々な欲にまみれて生きている。
すべてを否定できるわけでは勿論ないが、取捨選択をしたほうがよいな、という気持ちは何とはなしに芽生えてきた気がする。

これはたしかエルメスのデザインをされている方のコメントであったが、

若い時人は様々な遊びなどで情報を掴み蓄積することに夢中になるが、ある時期からはそれを熟成し、吐き出すことが必要になる、

といったことも読んだ。これも記憶からであり、表現は記載に添っていないが。

この考えにも共感した。

人は貰う時期があり、貰うことには少し罪悪感が伴うと思う。しかしそれでいいのだ。ありがたく受け取って、それを自分の中に様々な形で取り込む。そしてそれを潜在意識の下に記憶として取り込んでおく。

そう、種のように。

それはあるものは直ぐ、あるものは時間を掛けて、他の”種”たちと場合によっては混ざり合い、融合変化し、

そしてある時期に”自らから発するもの”として外に出てくる。

自分から出てくる、という意味では唯一無二のものとして。


それが他の人々にとってどういうものかはわからない、わからないが、

もしそれを受け取った”この世に同じ時期に在る魂”として

一期一会、奇跡のような縁で出会い、

そして伝わる。

それは言葉であるかもしれない。何かの創造物であるかもしれない。

当たり前の単なる会話かもしれない。


そう、こうしてつらつらと書かせていただくブログ、という形もある。それをご覧頂く。

そのことに意識的にさせてくれる言葉だ。

そのことはあたりまえのようでいて、宇宙的にも特異な出会いなのである。ここしかない。一瞬のようでいて永遠である。

池田晶子さんの言葉に、この今という瞬間が永遠である、といった意味のことがあった。(すみません、これも記憶ですが)

ヘッセの言葉に、変化こそが永遠だ、という言葉があった。これなぞは”諸行無常”の仏教の教えと繋がるだろう。



なにかのご縁でこのブログをご覧頂くこと、これはなんとありがたいことか。本当に嬉しい。

そしてご覧頂くことは、一瞬のなかにある永遠の行為、

なのである。ことさら難しいことを書くつもりもないが、
本当にありがたいことである。

そのことはどこかできちんと持っておきたいと思う。


これも池田さんの言葉だが、

人に面と向かっていえないことばを、こうしたブログ等のなかで言うべきではない

というものがあった(すみません、これも正確な引用ではありませんが)。

この言葉は忘れないようにしたいと思っている。


最近僕はFAVORITE WORDとして”たましい、たましい”と言っているが、そうしたありがたい縁、のようなものを体現する言葉、単語であると感じているが故である。



で、小冊子。

どうつながるのかというと最近2冊の小冊子を入手したのである。

一冊は国書刊行会40周年記念小冊子。

まずはこの表紙がいい。本棚をイメージされたものだと思うが、何とはなしに既視感が。

あ、これか。

我が本棚。テガミバチが4巻までしかないから、結構前の画像のようだが。

内田樹氏によると、”本棚は将来こうありたいと思う未来の自分”を示しているそうであるが、深く実感するところでる。どちらかというと自分の脳がこの横にある本棚とリンクしている感じもある。

池田晶子さんの本。小林秀雄。怪人。怪獣。描きかけの絵。

なにかあれば参照する。できる。そこにある。

象徴として、画像として、”なにかあれば応えまっせ”と彼は語りかけているようだ。

だから僕は本棚を見るのが大好きだ。他人の本棚、これも好き。

その人の脳髄を勝手に開けて見ているような気もして、ぞくぞくする。

だから圧倒的かつ中身もすごい本棚を見ると、その人を尊敬してしまう。代表は京極夏彦氏の本棚であろうか。特に水木コーナー。


小冊子、表紙もよいが中身もよい。そして造本もしっかりしている。

読んでいくうちに、くらくらした。こんなに読むべき本があるのか。こんなに読んでいないのか。

生涯で読むことが果たしてできるのか。

幸せなブラックホールの発見と戦慄。


朝吹真理子氏の感想、”なんとなくいががわしい感じ”、納得である。まずはこの社名。国にとって必要な本を刊行する、という意思を感じるが、それが幻想。それがクロウリー。それがク・リトル・リトル神話。

いいのか?”国書”なのか?

そこでまずは痺れてしまうのである。

もう一冊は”テガミバチ浅田弘幸画業25年記念小冊子。

単行本14巻に同梱されていたもの。


テガミバチは、”999”と”母をたずねて3千里”へのオマージュに満ちた作品だと思うが、なぜか気に入って満杯の本棚に押し込んでいる。

25年の年月にも敬意を表して。上手い絵を描きたい、という作者の思いが伝わってくる。

こちらも愛すべき小冊子に仕上がっている。

カレ物語―エルメス・スカーフをとりまく人々 (中公文庫)

カレ物語―エルメス・スカーフをとりまく人々 (中公文庫)

テガミバチ 14 特装版 小冊子付き (ジャンプコミックス)

テガミバチ 14 特装版 小冊子付き (ジャンプコミックス)

そして今日図書館で借りた本。

森本哲郎 書物巡礼記

”何が面白いといって、この世に”宝さがし”ほど人の心をそそるものはない。”(P.77)

書物探求をさして森本氏はこう述べる。

口絵?には、岡本帰一のものと思しき人魚の挿絵が示された本。一枚をめくると、一面の本棚を前に本を紐解く森本氏。

すごい本ばかりだ。しかし氏は書く。本はいつか読むと思って買っておくものだと。

氏の言葉に僕は力を貰う。そして少しの不安。
(床が抜けないかな)

書物巡礼記

書物巡礼記

山海経十牛図。はたまた小野小町。 多くのインスピレーションをこの本は与えてくれそうだ。

未明童話の本質―「赤い蝋燭と人魚」の研究

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