第3章 目次。
考えることに終わりはない
バカの壁を突破する −脳
夢の安楽死病院 −老い
権利など必要ない −医者と患者
百歳まで生きるとしたら −死
損か得かの問題なのか −少子化
命は自然に委ねるもの −医療過信
生きてみなければわからない −遺伝子
ボケた者勝ち −痴呆
人生を渡るための舟 −健康
アンチエイジングでサルになる −老い
今さらどうして生命倫理 −クローン
子供のころから、違和感があった言葉。
”子供を作る”
当たり前のように皆言っている。
当たり前である。
だが、そのときに子供であった僕は、作られるうちの一人、ということになっていたわけだが(そう聞こえたが)、頗る気分が悪かった。
自分は自分だよ、一人の人間だ。
品がないことばだな。
そう思っていた。だから極力自分では子供を作る、という言葉は使わず、子供が生まれる、というようにしていた。
池田さんの文章でまたひざをうつことになった。
これからの高齢化社会をどうささえるのか、という文脈で、
”現在の我々は、子供を作るの作らないの、まるで先行投資損か得かみたいに議論したり計算したりしているが、作られて生まれてくる子供とは、言うまでもないが、ひとりの人間である。人格である。”(P.98)
とおっしゃっている。
そうか、一人の人間として認められていないという感じがして、イヤだったのだな。
一方、作る側は作られる側より一段えらい(何が?)という感覚もあり、気持ちいいんだな、という風に整理した。