夢見るように、考えたい

池田晶子さんの喝、”悩むな!考えろ!”を銘としております。

脳を活かす勉強法 茂木健一郎 を購入した。

出張先で一気に読んだ。非常に示唆に富む内容。
読んで元気が出てくる。

この元気がでてくる、というのは人から”元気を出せ!”というふうに言われると、人から影響行使されている感が鬱陶しいが。自発的であれば。

自分の記憶のため、書いてあることと自分の感想を記載してみる
(感想は矢印で示す)。
本に書いてあることを、いったん自分の記憶に落としてから、手で書くと記憶が残る、という個所があるが、PCでは少し定着度は落ちるであろうが。すぐにやってみる、というのも茂木さんの教えのひとつであるし。

・脳は、何かを達成するたびに、どんどん強くなる。

やった!できた!で脳にドーパミンが。
ドーパミンが快感を生む。
脳はドーパミンが出た行動を記憶し、再現しようとする。
効果的な再現のため、神経細胞ニューロン)がつなぎ変わり
新しいシナプス(神経回路網)が生まれる。

その繰り返しで行動が上達してゆく。
その過程が”学習”。

試行錯誤を経て、脳内に強固なシナプスを形成、行動を練達化する。これが強化学習

これのサイクルをまわせば、年齢、境遇に関係なく成長ができる。

理系や文系という初期の設定はもったいない。このサイクルの回りの欠如である。苦手意識を持つ必要はない。

自分にとってうれしいことを見つけるのが人生の課題。
うれしいこととやるべきことが一致したらもっとうれしい。劇的に成長できる。

→いい学校に入る、ということと勉強をすることは違う、ということは自分でも感じていた。

得意なこと、サイクルが回っていることばかりをしてきて、苦手意識のある科目は避けてきた。

また、学ぶことに単純に喜びを感じる部分は少なく、それで大学で学問をする、という意識は非常に低かった。

もったいなかったな、と今になって感じる。

ここが「強制」はNG、という部分だろう。

・勉強をいとわない脳を作る。

・苦しければ苦しいほど、その後の喜びは大きく、より強化される。
→茂木さんは、英語の原書をいきなり辞書なしで読みつづける、ということを行ったということだ。赤毛のアン指輪物語、シルマリリオン。ああ、僕が日本語で読んで、好きだった本だ。しかし原書!指輪の本の厚さは日本語でも結構大変だ。本の選定に親近感が。

・行動のひとつひとつに負荷、つまり時間制限をかける。
=タイム・プレッシャー

ただし、他人から強制された時間制限は逆効果。
これで高い集中力を身につける。

・これ以上早くできない、という限界を超えて、さらに早くやろうとする負荷の高い行為。

→会社での業務を項目だしして、時間を自分で決めて時間内でやるよう努力する、というプロセスを実践しているが、できたときはドーパミンが出るのを確かに感じる。この事象が明文化されている、という喜びを感じた。

・学習することは、今までとは違う自分となること。

→苦手なことが、できるようになり、場合によっては突き抜けて得意技になる、プロになる。

・他人との比較はデメリット、大切なのは自分自身の喜びの感覚。

・苦手な体育でも、プレッシャーを自分にかけて苦手なことに対峙したときの耐性をつけた。精神的な強度=根性。

・たしかに忙しいけれど、いろいろなことを学べるチャンスだ。
ものすごく忙しく仕事をしている→ものすごくいそがしく勉強している、の感覚への変化。
 自発性が生まれ、プレッシャーを撥ね返せる。

ロールモデルを持つ。たとえばアインシュタイン。かっこいい。

・集中力。集中力は3つの要素から生まれる。
1.速さ:作業のスピードを極限まで早くする
2.分量:とにかく圧倒的な作業量をこなす。
3.没入感:周囲の雑音が入らないほど夢中になる。

2、ずっとなにかを作業している状態をつくる。一息つく間もなく、作業をこなしてゆく。
3、没入感。勉強と自分が一体になる感覚。
スチュディオス(Studious)状態(佐藤雅彦東京芸大教授)。
「人間の幸せは、生き生きとした興奮状態を人生の節々でもてること、日々新しい発見に興奮できることではないか」

人とモノとの関係のみで、自己を規定することの不幸。

・フロー状態。

 :自分と仕事を一体化。
  問題があるな、と思ったらすぐ解決に着手。
  ただ目の前のことにのみ集中、考えるまでもなく、どうすればよいかが頭の中に浮かび上がってくる。
  時間がたつのを忘れ、雑音も耳に入らず、本人はただシンプルに仕事を楽しんでいる状態。

・勉強や仕事で集中力を発揮するには、この「自分と対象の距離をゼロにして没入する」ということが前提条件になる。

・勉強をはじめるときの心理的な障壁に対し、思い立ったときにパッと勉強に入ってしまえばよい。そしてはじめたら瞬間的に集中する。=「瞬間集中法」

・ありとあらゆる手を使い、瞬間的に集中する習慣を身につける。
 脳に回路ができてしまえばしめたもの。あとは身体が勝手に動いてくれる。

・「細切れ勉強法」も効果的。
 たとえ中途半端な時間でもパッとやってしまう。脳がその気になった瞬間こそが大きなチャンス。

 何ページ読もうとか、そういうことを考えてしまうともったいない。とにかくすぐにページを開く。
 細切れの時間を限られた短い時間と捉えずない。できることに限りあり、と考えず、逆転させる。

・大切なのは、流れを止めないこと。

→さっそく、トイレに小林秀雄本居宣長”を置きました。
 すぐ影響される。これもよし、ということで。

・定期試験前には、全教科の教科書を丸暗記。

 手で書きながら覚える。自分が行動する動機や心的態度などのさまざまな機能(モダリティ)。さまざまなモダリティから働きかけたほうが記憶が定着。

・このはたらきかけで、扁桃核(感情にかかわる脳の働きの中枢)と同時に海馬(情報の長期保存に関係)も活性化、記憶が定着しやすくなる。海馬に記憶されるもののうち、何度も反復して脳にアクセスされたものは重要であると判断され、側頭葉(記憶を蓄える部分)に送られ、長期記憶として定着する。

・原文を書き写すのではなく、いったん目を離し、一時的に記憶し、それを書き写す。これの繰り返しで定着する。
脳に大きな負荷がかかるが、これの繰り返しで記憶の定着は段違いによくなる。

・夜はクリエイティブな活動に不向き。夜になると脳の中は未整理の情報でいっぱいになる。その記憶を整理・蓄積するのは睡眠中。
身体は眠っていても、脳が活発に活動しているノンレム睡眠が記憶の整理には必要不可欠。

・朝は眠っている間に記憶が整理されており、脳がクリアな状態になっている。=脳のゴールデンタイム。

脳科学的にも、脳のなかにさまざまな情報が蓄積されている状態では、純粋な思考が阻まれてしまうことがある。

・わからないことは、脳の反応の鮮度が高いうちに調べる。

・大切なのは、物事を記憶することではなく、記憶した知識をどのように使うかである。

:かつて記憶されていた知識はインターネットで簡単に検索可能。
 過去を忘れず、学びつづける姿勢が必要。

・インターネット上には、アレクサンドリア図書館以上のありとあらゆる知識がタダで利用できる。

・現在における最高学府はインターネット上にある。
 勉強したいというきもちがあるなら、大学へゆく必要はない。

・勉強とは、自分という存在を輝かせ、人生の次のステージに登るためのもの。
 本当に死ぬ気になって猛烈に勉強しないと、職業人として追いつかない。最近になって猛勉強していた学生のころの感覚に戻ってきたなと思うことがある。

・文明力において、アメリカとの差が、明治維新のころのヨーロッパと日本くらい差がついてしまっている。
差の理由は、学問に対する情熱の成り立ちが違うから。

ネットを通じ最先端の学術情報が手に入れられる今、大学に行かないと学問ができないというのはもう幻想でしかない。

・本来人間の魅力とは内面の輝き、すなわち「知」。
 価値ある知を手に入れるには、自己完結したものではなく、人と人とのかかわりのなかで育てていかなければならない。
本当に知識の深い人とのかかわりを大切にしつつ、情報の取捨選択をしっかりと行う、それができる人がこれからの時代に輝く。

・スピードスケートの清水宏保選手
 肉体の限界より、精神の限界が先にくるものなので、そのリミッターをはずすことが重要

ドーパミンが放出されるのは、やさしすぎず、難しすぎない課題や問題に取り組んでいる瞬間。

・自分なりのやりかたを身につけるには、自分の脳の特性を理解しておく必要がある。具体的にはフロー状態の時の感覚を覚えておく。脳は一度体験した快感を、もう一度体験したいという欲求を強くもつから。
それが勉強に対するモチベーションにつながる。

・筋肉を使って、体を動かすこと自体が喜びである。
 アムステルダム・オリンピック3段とび金メダリスト 織田幹雄

・現代国語の問題の求め:オリジナルで奇抜な発想ではなく、文章に即してあっさりと無機的に答えを返すこと。

・苦手なものの克服は、自分との対話を通じて自らの行動を修正すること。歩みは遅くともよし。自分のペースで進歩。

・弱点が転じて長所になることがある。
 弱点を努力で克服しようとする時、人はきわめて高いモチベーションを発揮する。だんだんできるようになるにつれ大きなうれしさを感じるようになり、さらにドーパミンも多く出て、脳の強化学習がさらにすすんでゆく。

・弱点をもっていたら、それをむしろチャンスだと思ったほうがいい。

・正しい勉強法はとてもシンプル。
自分の欠点、ミスを直視できるか。そしてその原因を自分自身で論理的に突き詰め、修正できるかということ。勉強だけでなく、仕事でも。

・失敗したときこそ、成長の大きなチャンス。
シリコンバレーでは失敗をひとつのキャリアとして評価。
マイナスの条件下になったときほど、考え方次第で脳はますます鍛えられてゆく。

・すべての人の脳は暴走し、個性を発揮できるように作られている。そのカギを握るのは、ちょっとしたきっかけでしかない。

・その後の人生を変えてしまう出来事を経験することを一回性という。脳はいつどこで訪れるかわからない一回性を大切に刻印し整理する働きが備わっている。
すべては、そんなタイミングでどんな一回性を体験するか。

自分の人生を変える出来事に遭遇する確率を上げるのは、優秀な人と出会える環境に身をおくこと。

ケンブリッジ大学にあるのは、変人であることの自由。言い換えれば自分のすきなことをとことん追求することが許される自由。

・日本には変人であることを許容する文化はない。ピアプレッシャーというほかの人と一緒でなくてはならないという無言の圧力がある。

相手を平均値に引きずりおろそうとする圧力。

ケンブリッジにあるのは、相手の鋭利さを加速させるような別のピアプレッシャー。

・英国にあったのは、変な行動を奨励する文化。
 発想が卓越していたのは、彼らをスポイルするのではなく、変な人を集めてコミュニティを形成し、知として消化させるしくみを作り上げたこと。

・生涯を通じて学習を習慣化させるには、こうした環境に身を置くことがとても大切。残念ながら日本では少数。

・環境に身を置くことによって、ミラーニューロンが働く。
 他人がある動作をしているのを見たとき、実際に自分は動作を行っていなくとも、脳の中ではあたかも自分がその動作をしているかのような活動が生じる。

・予想可能なことと、意外性が混在してこと、脳は楽しいと感じる。

・自分にできるかどうかわからない、そういう難しさを乗り越えたときに初めて脳は限りない喜びを感じる。

・衣食住、どれをとっても限界があるのに、学習はどんなに学んでも必ず次がある。限界がない=オープンエンド

・これからの時代を乗り切るキーワードは”猛勉強”。

・あらゆる場面でベースになっているのは学問。

・日本では”知”を軽視する行動が多く、日本は諸外国に比べれると、社会全体で知の劣化現象が起こっている。

・人生の岐路にたったとき、なんとしても助言を受けたいと思われるような人。そんなひとが本当の人間的魅力を備えた人。

その魅力を支えるのが、知的な魅力。
オリンピック勝者には賞があるが、哲学者には賞がないという弟子の質問に対し、プラトン曰く、賞品とはそのひとの功績に対し、より価値のあるものでないと意味がない。しかし、知識を得る以上に価値があることなど、この世に存在しない。だから知恵を得た人には上げるべき賞品がないのだ。

・知の探求というオープンエンドに挑戦すると決めたときが、脳を生かす勉強法を体得した瞬間である。