精神には自分と出会う、という以上の喜びは存在しない。
小林秀雄を読むときに要求される自覚の靭さと緊張感とが、まさしくそれだと言っていい。私は彼を読むたびに、自分が精神として在ることの喜びを、そのたび新たにするものである。
新・考えるヒント P231 ”無私の精神”より 池田晶子
小林秀雄を読むとき,池田さんはその”自分と出会う喜び”を感じる、と書いた。
私も、池田さんの本を読んでいるとき、池田さんが感じた喜びとは、まさか比較するのもおこがましいが、自分が精神として在る、ということばを噛み締めて、そうか、そういうことかもしれないな、と思ったりすることがある。
池田さんが感じた喜びと、純度も、深さも、比べ物にならないかもしれないが。
- 作者: 池田晶子
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2004/02/11
- メディア: 単行本
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