永井荷風(1879-1959)が38歳(1917年9月16日)から79歳の死の直前まで42年間欠かさずつけたという日記の摘録"断腸亭日常"上巻を古本で手に入れました。
前年1910年より勤めた慶応大学文学部主任教授を辞めています。1913年官僚でのち日本郵船上海支店長などを務めた父久一郎が60歳で没すると家督を継いでいますので、1917年は心身ともに自由な時期だったと思いますが、その自由すぎる日々に一本の規律が必要であると思い定め、自らにとにかく日記を書くことを課したように思います。
日記と言っても日々のメモを見て装釘した和本仕立ての冊子に細筆で書き込み、書いてのちも何度も読み返し筆を入れたといいますので、つまりは自己の日々を客観的に文学化する意識があったようにも思います。
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