経験と時間を織り込みながら、魂であるところの人生を織り上げてゆく。
池田晶子 P.213 あたり前のことばかり
すずしくなった。10月に東京に来て2年目となった。
これまで歳を重ねて実感すること。
心は変わらない。しかし、若いころは年上の人たちを見てそうは思わなかった。自分とは全く違う内面世界があるのだろうと思っていた。
そうではなかった。なんか、ほとんどおんなじ。
なんだ。そうだったのか。
だからなんだというわけではない。今も、若い人はそう思っているのだろう。
そういうものだったのか、とわかった。
一人で暮らす。さぞかし自由に思索する時間があるものと思った。
そうではなかった。
例えば今日。起きて、風呂、シャワー、朝食作成。。
ああ、5時20分に起きて、今はなんと8時31分。。
3時間で風呂と食事であるのか。。
毎日帰ると、風呂、洗濯、夕食。
あ、もう12時過ぎだ、とこうなる。
時間は有限。時間だけが自分の持ち物。
なのに、こうか?1年のこの速さをみよ。
名古屋にいるころは、朝は1時間ほど自分の時間が持てた。少ないが故にキチンと使う。この日記も毎週更新する。
いまはだらだら。思索もままならぬ。
池田さんはおっしゃる。”人生を織り上げる”と。
。。。こんなので、よろしいのであろうか。。。
意識、の問題なのだろう。
数週間まえから少し本を読みだした。満員電車では本は読みにくく、せいぜい携帯位なので、勢い読書量も減っている。
頭が、固定化している。開かない。
で、このような本を読んだ。
- 作者: 北康利
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2015/06/24
- メディア: 単行本
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- 作者: ユン・チアン,川副智子
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2015/02/11
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少し、脳内世界が、広がった感じである。
期せずして2冊とも他人の人生を一生ベースで俯瞰するものであった。
傾向は違うが、大きな、人生を過ごした先人を感じることで、
すこしはリカバリーできたであろうか。
正月は1年の計と申しますが、僕にとっては10月1日が新しい生活の記念日かもしれない。
最強の二人からの引用。 P.385
出版人マグナカルタ九章
① 読め
② 耳をたてろ
③ 両目をあけたままで眠れ
④ 右足で一歩一歩歩きつつ、左足で跳べ
⑤ トラブルを勸迎しろ
⑥ 遊べ
⑦ 飲め
⑧ 抱け。抱かれろ。
⑨ 森羅万象に多情多恨たれ
右の諸則を毎日三度、食前か食後に暗誦、服用なさるべし。
御名御璽
開高健が当時週刊プレイボーイ編集長であった島地勝彦氏に贈り、島地氏は編集部に掲げていたという。
出版人、と銘打たれてはいるが、誰にでも当てはまる心構えと思う。なにより、開高健氏ご自身の信念の吐露でも、あるのだろう。
森羅万象に多情多恨たれ、とは、好奇心を忘れるなということだろう。今あるもので満足することは重要であるが、それとは別に生きることへの驚きと、素晴らしさ、池田さんがおっしゃった今生きていること自体が奇跡であるという思い、そのあたりに通じるものだろうと思う。
来週からは約10日間の海外出張。
時差とうまくやりながら、森羅万象に多情多恨たりたいと?
思っております。