周りに起きること。
人との出会い。
言葉が、文字が、無ければ、限界があるだろう。
今、ここで、出会うことが出来るのは、基本的には同時代のものばかりである。
今、たまたま同じ時代、同じ瞬間に生きている。
このことの不可思議は、奇跡のようである。
あるのだが、この瞬間の生、以外を知ることができるのである。
文字があり、本があるからである。
本には、その以前からあった人生が、同じく作者が先人の遺した本を読むことにより織り込まれている。それ以前からあった知が、織り込まれている。
人はこの瞬間をしか、生きることは出来ない。
しかし、そのどうしようもない事実に対し、すこしだけ、反抗することができる、文字により、自分と、先人の生を、考えを、本にすることにより。
”色は褪せ、寺院は朽ち果て、帝国は滅びる。
しかし、賢者の言葉は残る。”
島地勝彦 「バーカウンターは人生の勉強机である」P.109
そういえば、池田さんもいつも(著書で)おっしゃっている。
古典を読め、と。
諸行無常、なるも言葉は永遠の生命を持つ。それが次代にバトンされることにより。
勿論、全ての言葉が永遠の生命を持つわけではない。真実が、真実のみが生き残るのだ。読んだ人々の魂に共鳴することにより。
島地さんの文章を読むと、本を読みたくなる。お勧めの本がその文章の中にちりばめられている。
島地さんのように読み込めるわけではないが、本を読んで楽しむこと、久しぶりに思い出させて頂いた。
”人類は誰しも遅かれ早かれ、「人はどう生きるべきか」を考える。人類に普遍のその思考は全部昔からの本に蓄積されている。画家ゴーギャンは失意のうちに世を去る五年前に完成させた大作に、
われわれはどこから来たのか
われわれは何者か
われわれはどこへ行くのか
と書き付けた。この人間にとっての最終の問いの答えも、それこそ多くの本の中に少しずつ埋もれている。”
福原義春 「だから人は本を読む」 P.4
(原文にはフランス語表記も併記あり)
島地さんの文でお勧めされた資生堂元社長の福原さんの本を読むと、本を読まない損がじわじわと来る、焦ってさえ、来る。
単身赴任のワンルーム、基本資料と池田晶子さんの本だけであとは無し、と決めてはいたが、やはりそういうわけにもいかないようだ。
困ったことだが、楽しくもある。
また本を、読むことにしよう。
Salon de SHIMAJI バーカウンターは人生の勉強机である (ペンブックス)
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