この前生まれて初めて読書会なるものに参加した。
ひと棚お借りしている神保町共同書店パサージュさん主催、わたし宿題はギリギリまでやれない方で、
これが何かの本を事前に読み込んで、と言うことであったなら決して参加していなかったろうと思っている。
しかしお題は"自分の背中を押してくれた本"と言う事であったので、
私を銅夢版画工房に導いてくれた日本書票協会編著の"書物愛 蔵書票の世界"(平凡社新書2002年)をしどろもどろになりながら紹介させて頂いた。
本との出会いは一期一会、参加された皆様の本が回され拝見する中で、
一冊の本が心を打った。森有正"バビロンの流れのほとりにで"(筑摩書房、1968初版)である。
まずはタイトル、バビロンと言えば皆様普通バベルの塔あたりかとは思うがマンガ好きの私には"バビロン王ログナー(ファイブスター物語)であったりするのだが、
それもさておき手で持ったときの気持ち良さ、装幀はかの"栃折久美子"さんとのご説明あり。
高名な装幀家との認識なるもきちんと本を所有しているわけではない、で触って手に取って納得しかなかった。そうか、これは素晴らしいものだ、であればこその高名。
古本で探して今日郵便局で受け取った。
前にこの欄で百円ショップで文庫本サイズのノートを見つけて購入したことをご報告したが、それに雑誌サライの付録"吾輩は猫である"初版デザイン布製ブックカバーをつけている。
何を書こうかと思い机に置いていたが、気に入った本の一部を"写経モード"で書き写すことにした。
実は私日々バイブルサイズのバインダーに読書して気に入ったフレーズを書き写すことをかれこれ10年以上行っている。
だが電車や読みかけの本の読みを中断してなので字は走り書き、まあ書いた本人も読むのに難渋するレベルである。
そこから少し離れて自分なりに真面目に書いてみる。これが我が"写経モード"である。
早速同書の冒頭部を書き写す。いきなり素晴らしい文なのだ。ご紹介頂いた方はなんと100回は読んでいるとおっしゃる。かなり仰天した。
読むことと書き写すことは似て非なるものである。読みが深くできる気がする。修行する画家が著名作を模写で学ぶのにも似ている。
写真は書き写した2ページ。おまけではないが最後のページは敬愛する故池田晶子さんの"さいごからひとりめの読者による「埴谷雄高」論"のこれも冒頭付近の書き写しである。
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