小林秀雄 常識について より。
これの世に再びなしと云うことを
いのちに透り知る人少な
森信三
権力を振るった時に生じる、自らの無意識と身体とを含めた
「他者」からの「抵抗」に対して謙虚であること
人生を損得で語るのは、下品なこと 池田晶子
この世の生活において、われわれが既に無限なものと結びつきがあることを感じ、理解するならば、欲望や態度が変化する。
結局のところ、われわれが本質的なものを具体化するときのみ、価値を認め、本質的なものを具体化しないときは、生命が浪費される。
ユング自伝2 死後の生命より
幻想ネーミング辞典 を図書館で借りてめくってみた。
英語で知っているが、フランス語で実はそういう意味だったのか、という言葉が多く、驚いた。
- 作者: 新紀元社編集部
- 出版社/メーカー: 新紀元社
- 発売日: 2009/08/31
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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ノートル・ダム はなんと聖母。せむし男でよく聞くがそういう意味だったのか。狼男のルー・ガルーは京極夏彦の作品で知ったが、これもそれまでは知らなかった。
人魚はシレーヌ。デビルマンでなんとなく鳥女をイメージしていたが、魚だったとは。キマイラがシメールというのはなんとなく知っていたが、語感が違う。吸血鬼もヴァンピールと言えば、なんとなくDの世界を個別で意識してしまう。
幻獣に限らず、例えばスケアクロウがかかし(英語)だったり、ストラーダ(伊)はRoadの意だったり。
よく聞く言葉の意味が実は!というのが多かった。知っている方にとっては当たり前かもしれないが。
大貫妙子のミニヨン。かわいいという意味だったんだなあ。
長い間ユングの私物として金庫に秘匿されていた”赤の書”がとうとう出版されたようだ。
The Red Book: Liber Novus (Philemon)
- 作者: C. G. Jung,Sonu Shamdasani,Mark Kyburz,John Peck
- 出版社/メーカー: W W Norton & Co Inc
- 発売日: 2009/10/19
- メディア: ハードカバー
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約2万円弱という価格、英訳のみであることを差し引いても、非常に魅力的だ。とにかく圧倒されるのは、ユングの画力。プロといっても差し支えないと感じる。ユングが読者を意識せず、自らのために製作した、時間を掛けて。そんな迫力に満ちた書。そこには本来予定されていない読者として、暴いて見る、覗いて見る、ワクワク感もある気がする。