夢見るように、考えたい

池田晶子さんの喝、”悩むな!考えろ!”を銘としております。

ユング。

GWは例によって何軒かの古本屋へ。

そこで購入したこの本は、大変よろしかった。

P.41

”不思議な空想や夢の意味を知るために、彼は地下の世界に降りていくことを想像した。それは後に彼が「能動的想像」と名づけた営みである。”

この辺り、村上春樹の創作術を思い出す。

また、錬金術師の求める”金”は、世俗の金にあらず、という視点も新鮮であった。金を求める世俗的な営みに見えていた錬金術師であるが、その求めるものは”内面的な理想の状態”であるのだ。

”対立するものを、どちらも生かす道をさぐっていた。対立物の結合をめざしていた。”

フロイトは、全ての根源を性的なものに帰属させて考えたが、ユング集合的無意識に帰した。そこにはもちろん性的なものも含まれるだろう。

フロイトを読むときには”全てはお前の下心の所為だ!”という風に糾弾されているような居心地の悪さが付きまとうが、そしてそうではないというと”エエカッコしい”であるような罪悪感もセットで芽生えるのだが、ユングにはそれがない。

そのことだけでも、ユングに魅かれる。ようは”深いし、品がいい”のだ。そういうところで選んでいいのか?いいのだ、という心の声がする気もする。

この辺りがユングを読むときの、心地よさだったりする。