夢見るように、考えたい

池田晶子さんの喝、”悩むな!考えろ!”を銘としております。

エンパワーメント。

涼しくなってきた。この3日ほど自宅中心に生活しているが、普段着るものが段々と決まってきた。

 

やはり部屋着では、シャツが重要である。直接肌に接するものが暖かいと、何枚も着ぶくれする(これは極寒にはそうなる)ことは今の時期にはない。

 

そういう意味ではユニクロの極寒を今の時期から着だしている。最新の極寒は肌触りがごわごわしており部屋着にはいまいちなので、何シーズンか前の極寒をほぼ毎日着ている。これはテラテラ薄地という触感であるが、(もう伸び切っているものの)タートルネックであり、極寒なのでもちろん暖かく、この上にシャツ一枚でも今の時期であれば十分暖かい。

 

私はタートルネックが好きで(というより、寒さ対策は首と手首、足だと思っているので)、見た目を気にしない部屋着の場合、タートルネック3枚重ねにネックウォーマーにマフラー(部屋の中で!)という極寒ファッションで1-2月は過ごすほどだ。これはなぜか。実は頭があたたまると、瞬間で寝てしまうからだ。

 

なにかを考えたり、作り出したり、というには、脳が冷えているのはいい。もちろん耳は寒くなるが、目や脳は個人的には寒ければ寒いほど冴えてくる感じがある。

 

なので、冷房のない夏の日には、ほぼ思考が停止する。暑い地区の皆さんには差別的な表現になるのかもしれないが、哲学はやはり蒸し暑い地区(真夏の日本の蒸し暑さはたまらんですね)では起こりにくく、寒くて冬は家にこもっているような地区でこそ起きるのでは、と思っている。

 

勿論、特に頭を無理やり働かせねばならない、例えば職場であればたまらない、のひとことしか脳裏に浮かばないが、蒸し暑い時期でも、プールサイドやシーショアでのんびり日陰でねころんで哲学書を紐解けば、あくまで推測ではあるがむくむくとよき考えが脳裏に浮かぶことであろう。だが、その環境を得ることはなかなか困難だ。

 

そういう意味では、真夏に素晴らしい景色を見ながら、冷房のきんきんに効いた部屋でなにかを考えるのが、最も素晴らしいひと時であろうか。

 

余談であるが、日本では相当冷房好きを自任する私であるが、香港に仕事で行ったとき、レストランの設定温度には驚いた。多分16度設定だろう。さすがに寒すぎて震えた。外の気温は30度半ばであったろう。

 

その中で香港の皆さんは幸せそうに広東料理を食べまくっていた。

 

やはり暑い地区では、冷えた環境こそがプレミアムでおもてなしなのだ、と思った瞬間であった。

 

エンパワーメント。

なにかにより、いままでには自分にない、あるいは開発されきっていなかった力を得ることだ。

 

これには上段でもいったが、例えば意識して場所を得ることがある。

 

私はサイゼリア(敢えて誤称)やスタバに行って、エスキースを描くことがある。描こう、と思っていけば、だらだらしたあと、じわじわと自分を追い込んで、まあ、5-10分くらい、途中の絵をおもむろに取り出して、シャーペンを握ることができるのだ。描きかけの絵があり、手にシャーペンがあれば、とりあえず一本の線を引くだけでもいい、と思っている。大体は数百線は引ける。

 

絵描きは毎日ちょっとずつでも描け、という。私は専門の絵描きではないが、できるだけすこしでも毎日描こう、と思っている。

 

そのためには、サイゼリアやスタバに行く金がないと、いや、金があっても少しの時間と気持ちの余裕がないとだめだ。まったく小遣いがない、ということが昔はよくあった。会社生活とは、人付き合い、といういまのコロナ禍では考えられない認識でいままでやってきた。特に頭がさえているわけではない。専門性もない。そんな私が会社でやってゆくには、人間関係しかない、と心から思っている(今も)。

 

いや、私がこの場でアップさせていただいているイラストなどをみてもらえば、これを気持ち悪いおっさんが描いているわけである。これはふつうの会社員ではありえない。

 

ので、小遣いは飲み会で消えていた。基本、断らない。まあ、小遣いで払えない予想があるときは、隠れ帰ったりはしたのだが。

 

いや、別に飲むのは嫌いではない。むしろ好きである。だが長い間一人で飲むことはあまりなかった。本質的な飲み会好きではないだろう。いまはサイゼリアの200円ワインデカンタが大好物だが(もちろんひとり)。

 

まあ、そんなことで、小遣いが日々ほぼなく、残った分は本などで消えてゆくので、スタバに行く金銭的&心の余裕がなかったのだ。

いまは、少しある。

こうして少しの余裕があることの、嬉しさといったらない。

 

これが些細ながら、金によるエンパワーメントだろう。いま銅版画教室にも行っているが、これもそうだ。金を使うことによる、エンパワーメント。

 

(究極のエンパワーメントは、金で時間と場所を確保する、ということだと思っています。)