そして、どうやら上手に失った過去とは、上手に得る未来らしい。
小林秀雄の言葉 P.147 出典”秋” 17-201
時、というものを考える。
時はない。
永遠の今だけだ!
などと言い言いしてきたが、果たして真実は奈辺にあるのか。
将らず、迎えず、応じて而して蔵めず
気に入って、何度か引用している荘子の言葉であるが、
こちらはするりと逃げる”時”というものの尻尾を、
掴んだ名言だと感じる。
人は”時を経て”、"この世で””与えられた身体を”“年古”らせる。
おおくの前提、おおくのドクサを含む”常識”である。
だが、だが、そういうことにしておくしかないではないか。
そういうことにする、ことこそ
もしかすると小林秀雄のいう、”上手に過去を失うこと”なのかもしれない。