最近の本の購入から。
最近は漫画の購入を控えるようになった。
いや、引き続き読んではいる。
子供の頃は、漫画を読んでいるときはなんとなく気詰まりであった。本も好きでよく読んだので、”マンガなんて読んでいないで、本をよめ”と言われることはなかったが。
なので、もし僕が漫画を比較的読んでいるとすればそれは”立ち読み”。
昔は本にビニールはかかっていなかった。
学校帰りに本屋で立ち読み。
今でも思い出すのは、”デビルマン”の一気立ち読み。
確か中学生だったか。
読む前とあとで、自分という人間が変わったようなインパクトを感じ、
ふらふらと神戸電鉄に乗り込んだのを覚えている。
三つ子の魂百までというが、いまだ立ち読みの癖は抜けない。
その後比較的買うようになったが、量をこなすのはやはり立ち読みだ。
立ち読みの良い?ところ、それはいろいろな本を試しに読めるところ。たくさんの新しい作家が出るなか、表紙だけで買うのはリスキイだ。
かつては雑誌で読んで、気に入って購入して、という流れがあったが、
社会人となり雑誌に接する機会は個人的には少なくなった。
似た機能では図書館がある。
ためしに借りてみる。読まなくてもいいのだし。
いまだにありがたく思うのは、このブログでも何度となく書いてきたが、
池田晶子さんとの出会いである。
小林秀雄がランボーと街角で出会い頭の衝突のように出逢ったのと同様、
これは読まねばならない、という本をなんとはなしに借りていた。
この出会いのチャンスがなくなるとすると、電子書店はやはりさびしい。両方が欲しい、というのは贅沢な望みであろうが。
さてさて、購入した本であった。これ。
- 作者: 薮内貴広
- 出版社/メーカー: エンターブレイン
- 発売日: 2010/02/15
- メディア: コミック
- 購入: 2人 クリック: 34回
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エンターブレインは、昔のガロに近い、という記事をどこかで読んで、
では面白い作家がいるのか、ということでいろいろ立ちよみした。
僕が絵本や昔話に惹かれていることはこれもブログで何度か書いてきたが、
この本、勿論キャロルのアリスを下敷きにしてはいるが、それだけではない”とにかく童話のエッセンスてんこ盛り”な作品だ。
ALICEのキャラクターが出てくるだけではない。マギーGやマザーグース、そしてピーターラビット。
そのオマージュされた作品の気配を察知するだけでも相当に愉しい。
エンターブレインでは有名なのは”エマ”。
これも作者の”生涯の”拘りがこの作品に大きな色づけを行っているが、
こちらも又、作者の描きたい世界が描きたいように現出する。
マンガを読む読者にどれだけ伝わるのか、と危惧する思いもあるが、
たぶん”現代のガロ”で読者も比較的コアな層が多く、絵本の基本的な知識がある読者も多いのだろう。
また最近は映画で昔話をリライトしたものが多く、世間の興味がシンプルで深い話のなかでの俳句のような”昔話”に、向いているということもあるのだろう。
いろいろ言ったものの、この作品の世界感が、
自分に合った。
それだけであるのだが。
”カメさん”が特にいいですな。