荒川洋治さんの本を読んで思った。
本を出版して儲けを得よう、という次元ではない出版があるのだな、と。
1680円に設定した本は小部数で全部売れても大赤字。
製本し、取次ぎに通知を出し、1冊の注文が入ると飛び上がって喜ぶ。
現代詩、という売れない分野で、主に新人の処女作を中心に出版する。
儲けようとしたら、存在できないものを、後世に残すために、世に存在させるために、出版する。
いわば金を出して見てもらう。
そんな出版のしかたがあることを知った。
これは本の世界で、本の力を信じているからだと思った。
そして詩人は世に出るきっかけを得る。
詩の世界を作っている、という部分もあるのだ。