夢見るように、考えたい

池田晶子さんの喝、”悩むな!考えろ!”を銘としております。

カラマーゾフの兄弟。

40歳を超えて、世間からは青年期に読むべき、と言われている
本をぽつぽつ読むようになった。

なぜそういった本を高校生の頃読まなかったのか。
思い起こせば、小学校5年生位の経験が影響しているので
ある。

時は昭和50年ころ、
校庭で、頭のなかのBGMはアニソン一休さん”が響いている
なか、

図書館で借りた文庫本を確かもっていたのである。

ポプラ社のルパンシリーズの流れで、東京創元社の”
リュパン”ものでも
持っていたのか、SFジュブナイル系であったのかは記憶が定かではない。

であるが、自分の中では、”小学生では文庫本はちょっとマセてるかもしれませんが
この本ならいいですよね”的な言い訳を
必要もないのに自分にしつつ、図書館で借りた本であった記憶がある。

(たかが文庫本なのにな、と今なら思うのだが)

で、そんな言い訳をしながら、小学5年生が、埃っぽい校庭で、確か体操服などを
着る、小動物的に座っているようなシチュエーションで
あった。

そこに、先生の一人、確か担任ではなかったとおもうが、
いきなり僕の文庫本を引っつかみ、書名を確認すると、

”なんだ、こんな本よんでいるのか”

といったような言葉を吐きながら返してきたのである。


非常に混乱した。
で、思ったのは、

個人的な時間に好きで読む本は、教科書で書かれているような
”世界の名作”、こうしてプライバシーに踏み込んできて、
個人の趣味に文句をつけてきたときに、

”ほーっ、こんな難しい本読んでいるのか”

なんて感心される本は、

ズエエーッツタイ

読んだるかい、ボケ!(注:神戸生まれ神戸育ちです)

という、深い深い決心であった。

いまでもその決心のことを思い出す。


 
で、

世界の名作、を読めなくなったのである。

マイナーで、でも面白くて、
読んでる人が少ないか、多くても、

これはコドモ向けだよな、

なんていわれる本、これをことさら捜し求め、
それが面白ければ”あの先生”に勝ったような気がしていた。


それはそれで後悔してるわけではないが、

世界の名作、今よんでみると
結構猥雑だったり、ええんかい、これ、という部分もあったりして、

ちょっと読んどけばよかったかなあ

なんて思うようになってきた。

最近そう思ったのは

ヘルマン・ヘッセデミアン”。

大変面白く、つい文庫本を5−6冊買い求めることになった。

そしてドストエフスキーカラマーゾフの兄弟”、新訳。

いやあ、面白い。
2巻の途中だが、1巻の女性の描写あたり、
いい。

埴谷雄高”死霊”を思い出させる部分が、たしかにある。

続きを楽しく読んでいる。

そして、世界の名作、馬鹿にできんなあ、ということで、
これからはできるだけ読んでみようと思っている。

カラマーゾフの兄弟1 (光文社古典新訳文庫)

カラマーゾフの兄弟1 (光文社古典新訳文庫)